年末年始に増加する番組といえば、ネタ番組だ。一見、芸人が次々登場し、ネタをするだけなので、どの番組も同じようなものだと思われがちだ。けれど、やっぱり見ているときの印象や面白味は、それぞれの番組によってまったく違う。
たとえば、『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ)は、芸人たちが気合が入っているのがよく分かる。この番組では、スタジオ収録にもかかわらず、スタッフがこだわり、あたかも演芸場のような舞台と客席をセットで再現しているのだ。これにより観客の反応もよく、笑い声も反響するため、芸人たちもノッていく。その熱と気合が画面を通しても伝わってくる。
そんな風に様々な特色のあるネタ番組の中で僕が大好きなのが、年末恒例の『爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り』(テレビ朝日)だ。これはもともと2005年からレギュラー放送されていた雑学クイズ番組の年末特別企画として始まった。『検索ちゃん』のクイズ回答者は基本的に芸人だけ。だったら、そのメンバーにネタをやってもらおう、というような発想だったのだろう。レギュラー放送は2009年に終わったものの、年末特番の「ネタ祭り」だけは、存続しているのだ。
この番組の大きな特長は、司会が爆笑問題だということだろう。特に太田光は、とにかく芸人のことが大好き。クイズ番組時代も、芸人と話すのが楽しすぎて、用意されたクイズをほとんど消化しないまま、喋り続けてしまうほど。それに対し、時に優しく話に入り、時に冷たくあしらうアシスタントの小池栄子のさじ加減も光る。そんな彼らが司会だから、芸人たちもノビノビと自由にネタをやっている。司会である爆笑問題も必ずネタを披露するため、同じ立場だというのも大きいのだろう。ネタは芸人にとって“本分”。絶対にスベれないからどうしても緊張感が漂ってしまうもの。けれど、この番組にはそれをほとんど感じない。ネタ中も手を叩いて大笑いをしている太田は、ネタ後もどこが良かったのか熱く語るから心地良い。そのトークが脱線しがちなのもいい。この日もサンドウィッチマンが東京03には営業の鉄板ネタがあると話し出すと、「見せて」と言い、それが大人数でできると知ると、実際に全出演者でやってみる。
楽しい!
『検索ちゃん』を形容するとき、これ以上しっくりくる言葉はない。
▼『爆笑問題の検索ちゃん』
テレビ朝日 2017年12月22日放送