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女子野球を見て思った「プロ野球、7イニング制導入もアリじゃない?」

文春野球コラム ウィンターリーグ2017

2018/02/04
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 筆者は1962年(昭和37年)生まれだが、昔見たプロ野球の試合は短かった。

 今どきの衛星チャンネルで完全中継に慣れた若者には信じられないかもしれないけれど、70年代前半の地上波プロ野球中継は試合が中盤にさしかかった夜7時半に始まって、9回まで達しない9時前(テレビは8時50分からスポットニュースが入る)には放送終了。テレビでの観戦時間はどうやっても90分以内だったのだ。

 70年代後半になると9時30分頃までの中継延長が始まったが、それでも試合終了に到らない白熱戦も多かった。いい場面で放送が終ると中継局に怒りの電話が殺到したらしいが、熱心な野球ファンは続きをラジオで聞くしかなかった(関東人はUHF局のリレー中継を見たらしいが、筆者は秋田在住だったので……)。

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 プロ野球は90分からせいぜい2時間。当時のテレビ観戦の感覚はそんなもんだった。

プロ野球、もっと短くならないか

 76年にフジテレビの「プロ野球ニュース」が始まってパ・リーグ情報に接するも、テレビで見る限りダイジェスト。それでもプロ野球はどんどん好きになる。79年に海老沢泰久の「監督」、80年に山際淳二の「江夏の21球」を読んで感化され、プロ野球はグラウンド全体を見渡しつつプレーボールからゲームセットまで見なければとの使命感に憑かれた。

 80年代になると地上波中継は夜7時スタートになり9時半まで中継延長もごく普通に。つまりこの時期、世の中全体のプロ野球に対する意識が高まったと考えられる。筆者も81年の上京以後、よく開催球場まで見に行った。おもにロッテオリオンズのホーム、川崎球場だった。たまに日ハム主催の後楽園とか、ダメ虎時代の神宮・ヤクルト阪神戦とかね。

 やっぱり生で見るプロ野球は最高! でも試合時間長いよね……というのも正直な気持ちだなあ。球場に行ったら3時間とか3時間半とか試合している。球場の固い椅子はさすがにケツが痛くなって……。体力のある青年期には耐えたが、中年になると集中力だって続かない。映画も今どき3時間もある大作の劇場鑑賞は躊躇する。

 ゆえに思う。プロ野球、もっと短くならないか。

 ところが去年、球場で初観戦した7イニングでゲームセットのプロ野球があったのだ。雨天コールドじゃないんです。7イニングで完全決着。ちょうどよかった、2時間で終ってくれて。7イニングプロ野球最高!

 リトルリーグじゃあるまいし、ンなもんあるわけねえだろ! とお怒りの方にお教えしよう。プロ野球といっても女子野球。日本女子プロ野球リーグ=JWBLの試合は7イニング制なのである。

女子プロ野球リーグ初の通算400安打を達成した京都フローラの三浦伊織
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