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ブルペン陣の飛躍はボーのおかげ!?

 2.31。

 この数字が何を表すか、分かるだろうか?

 昨年のライオンズの救援防御率である。12球団で見てもトップの数字だった。それもそのはず、救援防御率2.31という成績は2005年以降のプロ野球の歴代救援防御率の中で5番目に入る成績なのだ。

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 この結果に多くのライオンズファンが驚いたことだろう。私もその1人だ。

 ライオンズファンが驚くのも無理はない。2022年シーズン前まで4年連続でチーム防御率はリーグワースト、2021年の救援防御率に目を向けても3.59で同じくリーグ最低の数字。これまでライオンズはずっと投手力が課題と言われてきたのだ。

 それが突如、飛躍的に投手力を改善できたのは何故だったのだろうか。

「ボー・タカハシですかね。少しうるさいところもあるんですけど(笑)、みんなを明るくしてくれるし。(マウンドへ)行くときも周りを盛り上げてから出ていくし。本当に陽気ですね。物おうじせずに話しかけてくるし、『まだまだうまくなろう』と、いろんなことを聞いてくれるし。それで周りも一緒になって盛り上がっています」

 これは昨年6月に文化放送「ライオンズナイター」で「ブルペンの雰囲気をつくっている投手は?」と質問された青木勇人コーチのコメントである(※ちなみにライオンズナイターは今年“42”年目)。

 もちろん投手力が向上したのは個々の奮闘のおかげだ。

 しかしこのインタビューから分かる通り、ボーがブルペンの雰囲気を明るくしてくれたおかげで投手陣にとって投げやすい環境を作りだすことができ、それによってこれだけの成績を収めることができたといって良いだろう。

 つまり、ボーの存在によって「2.31」という救援防御率を残すことができた。私はそう確信している。

今季ボーに期待する役割

 昨年のオフシーズン、ライオンズファンを驚愕させるニュースが飛び込んで来た。2022年シーズンのライオンズを支えた鉄壁の勝ちパターンで、8回を担った平良海馬が2023年シーズンから先発に転向するという内容だった。

 同年の最優秀中継ぎ投手の先発転向に、「勝ちパターンはどうしようか」とライオンズファンは不安になったことだろう。

 そこで私はこんなツイートをした。

「平良の先発挑戦で来季から中継ぎ陣が不安なファンが多いだろう。しかし安心してほしい。私たちには世界最強投手ボーがいる。来季は先発平良7回水上8回ボー9回増田の無失点リレーを何度も見れるだろう。そしてボーは平良に負けない長友も黙っていられないようなブラ"ボー"な投球を見せるだろう。つ優ボ」

 

 世間ではサッカーのカタールワールドカップが話題になっていたので、タイムリーな話題を取り入れつつ、ボーに勝ちパターンに入ってほしいという思いを込めたツイートには多くの“いいね”がついた。

 さらには「ボーは平良の代わりになれると思う」というコメントまで書かれた。ボーが期待されている。それだけで自分のことのようにうれしかった。

 来日2年目の今季、私がボーに期待したいことはズバリ、ブルペンの勝ちパターン入りである。

 というのも、オープン戦でボーのスライダーを見て驚いたからだ。スライダーは昨年から投げていたが、数段キレが上がっているように見えた。

 今季の南郷春季キャンプでボーは憧れである“平成の怪物”こと松坂大輔の指導を受けた。その甲斐あってか、ボーのスライダーはまるで松坂のそれを彷彿とさせるものがあった。

 ボーはオープン戦で3試合に登板し被安打はわずか1、防御率0.00と素晴らしい成績を残した。ボーにはいずれ憧れの松坂を超える投手になってほしい。いや、なるはずだ。

 今シーズンのライオンズは正捕手、そして打線の中軸を担ってきた森友哉がオリックスに移籍した。昨年はリーグワーストのチーム打率に沈んでおり、森が抜けたことで更なる苦戦を強いられることも考えられる。

 ゆえに優勝を目指す上では昨年同様、安定した投手力が必要不可欠だ。

 そのためにもボーには持ち前の明るさでブルペンを盛り上げて良い雰囲気を作り出す役割と、勝ちパターンとして勝利に導く活躍を期待したい。

 ボーは必ずや今シーズン、ライオンズを優勝に導いてくれるはずだ。

 最後にこの言葉で締めたいと思う。

 つまり優勝はボー

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