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“令和の鉄人”西武・源田壮亮の姿に思い出す、僕の師匠・萩本欽一に説かれた「成功への近道」

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/04/09
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 ライオンズファンの皆様、プロ野球ファンの皆様、たまたまこの記事をご覧頂いている皆様、こんにちは。埼玉県坂戸市出身で「あさりど」の“ライオンズバカ”の方・堀口文宏、48歳です。今シーズン、文春野球西武のレギュラー執筆オファーを受けてしまいました(笑)。本題に入る前にこのオファーを受けた経緯を簡単に。

 2023年2月1日水曜日、ライオンズ以外の11球団がキャンプインした日に文春野球西武の中島大輔監督からレギュラー執筆オファーのLINEが届いた。

 細かい内容は省くが、それはそれは長い文章で着物の反物だったら十二単衣(じゅうにひとえ)を作れちゃうぐらい長いLINEだった。ちなみに十二単衣とは平安時代の公家女子の正装で重さ20kgあるといわれているものだ。

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 文章の長さから中島監督の熱意を感じ、オファーを受けるハメになった(笑)。

 僕は以前に何度か文春野球に単発で登板させてもらっている。変な意味ではなく捉えて貰いたいが、正直このオファーは丁重にお断りしようと思っていた。

 だって毎回HITの数が明確に記されて、勝てばいいけど負けた時のショックと疲労とまあまあな絶望感に襲われるのは分かっていたから……。

 それをシーズンレギュラーで務めるなんて無理! そうお断りするつもりで、中島監督になんて伝えようか考えていると、僕の脳みその左斜め奥辺りから声が聞こえたんですよ、師匠の声が!

 僕は萩本欽一主宰”欽ちゃん劇団”の1期生。16歳から所属しているので芸歴はかれこれ32年。師匠の欽ちゃんが脳裏で囁く(欽ちゃんの口調で以下のカッコの中をお読み下さい)。

「えっとねぇ~、辛い道と楽な道があったら迷わず辛い道へいってみよぉー!辛い道を選択する事が成功への一番の近道だよぉ~。その姿を神様が絶対に見ててくれてるからねっ」

 これは若い頃、欽ちゃんによく言われた言葉だ。

 丁重にお断りするつもりが……欽ちゃんが脳裏で囁くから、ついオファーを受けちゃいました。いや、受けさせて頂いた! 困難な道ではありますが、頑張りますので皆様、宜しくお願い致します。

あどけない青年が、長嶋茂雄を超える大記録樹立

 さぁ、本題!

 レギュラー執筆第1弾はライオンズのキャプテン源田壮亮選手をピックアップしたい。野球ファンのみならず、日本中を熱狂させた先月の「ワールド・ベースボール・クラシック」(以下WBC)で怪我を抱えながら出場し続けた記憶が新しいところだろう。

源田壮亮 ©時事通信社

 僕が源田選手に初めてお会いしたのは2017年1月。テレビ埼玉で毎週月曜夜10時からレギュラー出演しているライオンズ応援番組「ライオンズチャンネル」の新人選手へのインタビューでのことだった。

 第一印象は、肌の色がつきたてのお餅の様に白く、ほっぺは真っ赤。大学、社会人を経験したとは思えない程あどけない青年。

 まさかそれから6年後、侍ジャパンの正遊撃手として活躍するなんて予想出来なかった。だって、源さんに初めてインタビューした時、好青年ではあるけど、声は小さく力強さがなく、謙虚過ぎて欲を感じないし、体も細くてプロでやっていけるのかなとも思ったからだ。

 が、しかし、皆さん。1年目から開幕スタメンを任され、あれよあれよという間にライオンズの正遊撃手になり、気が付けば様々な新人記録を更新した。

 なかでも僕が驚いたのは、新人の開幕からの連続試合フルイニング出場の更新! 当時、長嶋茂雄さんが持っていた220試合を遥かに超える299試合連続フルイニング出場。丸っと2シーズン以上、新人選手がルーキーイヤーの開幕戦からフルイニング出場を続けたのだ。

 それを思うと、先月、日本の優勝で幕を閉じた第5回WBCで怪我をしながら出続けたことも頷ける。

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