文春オンライン
「日本のアニメが気持ち悪いという風潮がありました…」ソウルで痛車を乗り回す男性が明かした韓国国内の“痛車への視線”

「日本のアニメが気持ち悪いという風潮がありました…」ソウルで痛車を乗り回す男性が明かした韓国国内の“痛車への視線”

推せ推せ! 怒濤の痛車最前線 #1

2023/05/12

genre : ライフ, 社会

note

 障害が大きいほど燃え上がるのは、二次元への愛も変わらない。推しのためならいかなる代償もいとわない、情熱あふれる痛車オーナーの実態に迫る!

 今回は、「お台場痛車天国2023」出展オーナーのなかから、韓国でヒョンデ・エラントラ N(韓国名:Avante N)の痛車カスタムを楽しむ「EleMas*」さんをご紹介。

愛車をホロライブ仕様の痛車に仕上げる「EleMas*」さん

「軽蔑の目」にも臆さず趣味を満喫

 今日は韓国のソウルから、この痛車天国のために来日しました。日本に住んだことはありませんが、中学生の頃から日本のアニメにハマり、コロナ以前には年に何度かオタクツアーに来ていたんです。痛車のイベントはこれが初めてなので、愛車を展示できて嬉しいですね。

ADVERTISEMENT

 最初に痛車の文化を知ったのは、2015年頃でした。アニメのキャラクターを全面に貼った車を見て、「えっ、何これスゴい!」と衝撃を受けたことを覚えています。その後、韓国にも痛車のグループがあることを知り、迷わずそこに入ったんですよ。

ベース車両は日本未発売のヒョンデ・エラントラ N

 実際に痛車に乗りはじめたのは、それから3年後のことです。ただ、当時は日本のアニメや痛車に対して、韓国では少なからず「気持ち悪い」という風潮があって、こういう車に乗っていると「オタク、キモい」といった軽蔑の視線を感じることもありました。

 両親も、私が買った痛車を見て「何してるの!」と怒り狂ってしまって。それでも、そういう反応があることは予想していましたから、乗るのをやめようとは思いませんでしたね。

 今でも痛車に対するイメージはあまりよくありませんが、それでも以前に比べると、「あぁ、そういう趣味の人なんだな」と、個性として受け入れる雰囲気が強くなったように思います。私の両親も、「まぁ仕方ないか」というトーンになりましたね。

英語版ホロライブの「Hakos Baelz(ハコス・ベールズ)」というキャラクターをボンネットにあしらう

 昨年にはこのヒョンデのAvante Nを買い増しして、今は2台の痛車を所有しています。買い物や通勤にも、普通に使っていますよ。勤務先はソフトウエア関係の企業ですが、会社の人からネガティブなことを言われることはありませんね。

こちらは韓国から同行した友人の参加車両。ベース車両はヒョンデ・エラントラ(韓国名:Avante)の先代モデル

 日本に対する考え方は韓国国内でもさまざまですが、今は「趣味や文化はまた別のものとして切り分けて考えよう」という傾向があるように思います。同じアニメ趣味の人でも、国際関係に対する考え方はまったく違うことがありますし、その国の一面をよく思わなかったとしても、それを他のすべてに当てはめることは正しくないよね、といった感じでしょうか。

今後も世間の目を気にせず、韓国で痛車趣味を楽しんでいきたいという

 私としては、これからも大好きな日本のアニメを視聴して、痛車趣味もずっと続けていきたいですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

「日本のアニメが気持ち悪いという風潮がありました…」ソウルで痛車を乗り回す男性が明かした韓国国内の“痛車への視線”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事