障害が大きいほど燃え上がるのは、二次元への愛も変わらない。推しのためならいかなる代償もいとわない、情熱あふれる痛車オーナーの実態に迫る!
今回は、「お台場痛車天国2023」出展オーナーのなかから、三菱ふそう・キャンターを痛車に改造する「コバヤシ」さんをご紹介。
トラック乗りの父に憧れて
物心ついた頃からトラックが好きで、とくにデコトラにはずっと憧れがありました。父親が仕事でトラックに乗っていて、昔からちょこちょこ弄っているのを見てきたので、自分もいつかは乗りたいと思っていたんですよね。
自分自身は運送の仕事に就いているわけではないのですが、免許を取ってからはずっと趣味として軽トラに乗り続けていました。最初に買った軽トラからすでに痛車カスタムには手を出していて、もうかれこれ11年くらいになりますね。
そもそもアニメや漫画にハマりはじめたのは中学生の頃からで、当時から痛車に対しては「こういうのもアリだな」とかなり肯定的に捉えていたんですよ。なので、愛車に初めてステッカーを貼るときにもさほど躊躇はありませんでしたね。
もちろん最初は小さなステッカーで、「試しに貼ってみるか」くらいの気持ちだったのですが、不思議なことに、乗っているうちにどんどん物足りなくなっていって。次第にステッカーの占める面積が大きくなっていき、そのうち軽トラでは飽き足らず……慣れって怖いですよね。
それで、ずっと軽ではないトラックに乗りたいと思っていたこともあって、数年前にこの車が手頃な値段で売りに出ているのを見つけ、思い切って購入したんです。「とうとう念願のトラック乗りになれた」と心が踊りましたね。
そうやって痛車にのめり込む自分を見て、親はやっぱり困惑していましたが、それも最初の頃だけでした。周りの友人や知り合いも驚きはしますけど、何か言われることはないですよ。関係の薄い人にも自分のことを覚えてもらえるので、その点はむしろ便利にも感じますね。
ただ、日常の足にはさすがに普通の、何も貼っていない乗用車を使っています。これを表に出すのはイベントのときだけで、普段は家のガレージにしまい込んでいますね。取り回し的にも、普段遣いには向いていませんし……。
最近は、自分もそろそろいい歳だし、痛車はこれで最後にしようかなと思っています。若い痛車乗りもたくさん見るようになりましたし、もう自分は十分やったかなと。ただ、トラック趣味は続けていきたいですね。エアブラシで絵を入れて、ずっとやりたかったデコトラ仕様を実現しようかなと。
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