婚活アドバイザーとして3万人以上のクライアントの婚活相談を受けてきた松尾知枝さん(44)。幼少期に超極貧生活を送った後、大手日系航空会社のキャビンアテンダントとなるも、そこからは医師や商社マンなどと合コンの日々を送ることになる。まるでドラマ「やまとなでしこ」のリアル版といえる日々について振り返ってもらった。(全3回の2回目/3回目に続く)

現在は婚活アドバイザーとして活躍する松尾知枝さん ©石川啓次/文藝春秋

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成田空港のイメージガールからCAになった経緯

――成田空港のイメージガールとなったことでCAの仕事に興味を持ったということですが、具体的にCAはどこがいいと思ったんですか。

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松尾知枝さん(以下、松尾) 憧れを持ってCAになる人が多いんですけど、私は変わっていて、アップダウンの激しい人生を送ってきたので「働くとしたらアップダウンの激しい職場環境の方が合うだろうな」と思ったんです。CAの世界は毎回一緒に働く人も違うし、行き先も違うし、逆に私にはちょうどいいんじゃないかって。

 あとコミュニケーションについて、もともと陰キャだったこともあって自信がなかったんですね。でもCAという環境に飛び込めば厳しい訓練が待っているから、それなりのレベルになれるんじゃないかとも考えました。

CA時代の松尾知枝さん(写真=本人提供)

――松尾さんは就職氷河期世代にあたりますが、CA以外は受けなかったんですか?

松尾 大手日系航空会社2社、あともう1社、建設系の総合職を受けたら合格しました。その会社の懇親会で中華料理を食べて「このまま就職してもいいかも」と思いかけていたら、携帯電話に非通知の着信があって。留守電を聞いたらCA内定の連絡が入っていました。

 あとで新聞を見たら、CAの受験倍率が100倍と書かれていて。最初からそれを知っていたら気持ちが折れていたかもしれません。

――極貧だった幼少期からキャビンアテンダントになり、まさにシンデレラストーリーだと思うのですが、そこから松尾さんは合コン三昧の日々を送ることになります。

松尾 そうなんですよね(笑)。コミュ障で陰キャの私なのに。