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「仕事が忙しいから、週末は家で過ごすようになった」も黄信号 産業医が解説 "もうすぐ潰れる社員"に多い3つの特徴

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genre : ビジネス, 働き方, ヘルス

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部下や同僚がメンタル不調になる前に助けることはできるのか。年間1000人以上の面談を行う産業医の武神健之さんは「一見安定した状況でも、急に潰れる社員はいる。そんな社員には3つのパターンがある」という――。

写真=iStock.com/Peopleimages ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Peopleimages

安定した状況でも潰れる社員はいる

こんにちは。産業医の武神です。新型コロナ感染症も法律上はインフルエンザと同じ扱いとなり、私のクライエントでは在宅勤務、出社勤務、ハイブリッド勤務など、それぞれの働き方で落ち着いてきている社員がほとんどだと感じています。

このような安定している状況でも、急に潰れてしまう社員は必ずいます。今日は、そんなもうすぐ潰れる社員によくある特徴について、私の産業医面談から得られた3つのパターンからご紹介したいと思います。

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「体力回復のため」週末の外出をやめたAさん

1つめは、週末に1日は外出していた人が、両日とも家で休養するようになったときです。

Aさんは20代後半の一人暮らしの男性社員でした。週末は、土曜日は友人たちとフットサルやドライブ、登山など外で遊び、日曜日は掃除や洗濯物、勉強や食べ物の作り置きなど家で体を休めながらゆっくり過ごすことをルーチンとして過ごしていました。

半年前に会社の大きなプロジェクトメンバーに抜擢されました。プロジェクトは忙しく、平日は過去に経験したことがないほど遅くまで残業をするようになりました。日中もミスは許されないうえにスピードが求められる業務時間が連続し、2カ月ほど経つと自分が疲れてきていることを自覚し始めました。そこで、真面目なAさんは、土曜日に遊ぶことをやめ、週末は両方とも昼までは寝て、午後も家でゆっくり過ごして体力の回復に努めるように過ごし始めました。

3カ月後、Aさんは仕事でミスが目立ち顔色も良くないと、上司に勧められて産業医面談に来ました。覇気がなく、出社前は特に気分がすぐれないそう。食欲もなく、睡眠も「長時間ベッドにいるが疲れが全く取れていない」というAさんは、典型的なメンタルヘルス不調者でした。早急な医療受診を勧め、専門医の診察の結果、Aさんは休職することとなりました。