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榊原郁恵さんが明かした、渡辺徹さんへの「ごめんね」と「ありがとう」の40年

榊原郁恵さんが明かした、渡辺徹さんへの「ごめんね」と「ありがとう」の40年

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「『約束』の後も『愛の中へ』『AGAIN』と、立て続けにランクイン。そして番組に来るたびに体型が大きく、丸くなっていく。これがまたなんとも印象的で。

『この厳しい芸能界でみんな頑張って体を絞っていくのに、なぜこの人はどんどん大きく丸くなっていくんだろう?』

『ラクしてる、この人』と。

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 その時何故か、嫌味のひとつも言いたくなってしまったんです。

『ずいぶん丸くなりましたね』と、最大限の嫌味を言いました。ところが彼は、相変わらずにこやかで、明るく朗らかに歌ってらっしゃいましたよ。ハハハハハ」

みんながハッピーな方向にまとめていく

 2人は1984年放送のドラマ「風の中のあいつ」で再会を果たす。

交際当時の初々しい二人(本人提供)

「徹さん主演の連続ドラマでした。私は主人公の新米医師を支える看護師役。当時のスタジオは個室がなく『鏡前』という大部屋で男性も女性も並んでメイクしていました。そこで徹さんはよく、気になる女性の話なんかしてきました。

『風の中のあいつ』は、初めて主演ではなかったんです。そのぶん、少し引いた位置から参加させてもらえました。やっと周りが少し見える立場に立って、最初は明るさだけしか目に入らなかった彼の、すごく熱血的な一面や、格好だけではないところが目に留まるようになりました。中学・高校と生徒会長をしていただけあってなのか、人の先頭に立ってみんながハッピーな方向にまとめていく。そういう姿勢はずっと変わりませんでした。

 人懐っこい徹さんは、隣のスタジオで撮影をしていた別のドラマの打ち上げに呼ばれて顔を出し、真っ赤な顔して上機嫌で現場に戻ってきて私と大喧嘩になったこともありましたね。その事件をきっかけに私を意識し始めたなんてことも、後から知った話です。横で並んでメイクしている時、台本の隅に電話番号を殴り書きして、ちぎって渡されました」