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沢田研二が語っていた、盟友・萩原健一との“友愛”「ショーケンは僕のこと、もう相手にしないと思うのね」

『ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』#1

2023/06/23

source : 週刊文春出版部

genre : エンタメ, 芸能, テレビ・ラジオ, 読書

note

「ライバルだったと言えるとすれば…」

 もうジュリーとショーケンが会うこともなくなってから、ジュリーにはかつてのヒット曲を歌わない時期があった。ザ・テンプターズ時代の「エメラルドの伝説」や「神様お願い」をライブで歌うショーケンの呟きを聞いた人が、いる。こんな呟きだ。

「沢田も、もうちょっと往年の曲をやってやればいいのにな。ファンを喜ばせてやればいいのに」

 萩原健一にとって、自分と肩を並べるべき存在はいつだって沢田研二ただひとりだった。沢田に批判を向けたその自伝で、松田優作をライバルと言われることを断固拒否して言うのである。

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〈ライバルだったと言えるとすれば、沢田研二です〉(『ショーケン』)

ジュリーが叫んだ「ショーケンへの愛」

 2019年のまだ浅い春、ショーケンは静かに逝った。その44日後、5月9日に沢田研二のライブツアーがスタート。東京国際フォーラムのステージに立った沢田は、2曲目を歌い終えた後に突然、「さすがにショーケンが死んだ時はこたえた」と語り出す。

「昔のこととはいえ、ショーケンといえばジュリーと言われちゃうんだよ。ショーケンはそんな奴じゃないぞ。もっと凄い奴だぞ。俺なんて生き方が上手じゃない。ショーケンはもっと上手じゃなかった。俺は足元にも及ばない」

 共に歌い、笑い、愛し、闘い、競った魂の片割れのようであった盟友の喪失に、ジュリーは涙を飛ばして叫んだ。

「俺はあいつが大好きなんだ!」

ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒

島﨑 今日子

文藝春秋

2023年6月12日 発売

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