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日本ハム・清宮幸太郎を成長させる「マック・マンツーマン」指導

文春野球コラム オープン戦2018

2018/03/05
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 読者の皆さま、初めまして。北海道・HBCラジオ・ファイターズの熱烈応援番組「ファイターズDEナイト!」パーソナリティーの斉藤こずゑです。今季からお仲間に入れていただきました。マイクとキーボードの二刀流を目指します。どうぞ宜しくお願い致します。

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 さて、今年も番組ツアーを組んでいただき、リスナーさんと3回目のアリゾナに行ってきました。今年の注目は何といっても清宮幸太郎選手。7球団競合の末、ファイターズが引き当てたゴールデンルーキー。ドラフトを見守るイベントの司会をしていた私は木田GM補佐が引き当てた瞬間、「うそでしょーーーーー」と絶叫。左手最高。

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 さてそのゴールデンルーキー。何と1月の鎌ヶ谷の新人合同自主トレで右親指を痛めてしまい、高校通算111本・一番の売りのバッティング練習を禁止されてしまうのであります。そしてその状態のまま、アリゾナの1軍キャンプに参加。

 怪我をしたのが1月18日、軽症とも伝えられていたので、そうかそうか、これはアリゾナの地で打撃を再開させて、抜けるような青空の下、どこまで飛ばすんだーーーーーいという姿を見せてくれるのか、そうかそうか、と思っていました。

 ……が、そこでもバッティングは禁止。結果から言えば、アリゾナキャンプを打ち上げる何日か前から室内のゲージに入ってちょこちょこっと打っただけでした。日の射さない暗めのところで。

アリゾナでは室内のゲージで少し打っただけだった清宮幸太郎 ©斉藤こずゑ

「マック・マンツーマン」への驚き

 というわけで、青い空・どこまで飛ばすんかーいの巻はお預けとなったのです。とても残念ではありましたが、でも、そのおかげで私たちはそれ以上のお宝を見ることが出来たのです。それこそが、「マック・マンツーマン」。

 バッティング練習が出来ない清宮選手は、走り方の修正と守備練習に時間を費やしました。少しがに股気味の走り方を徹底的に直します。高校までの癖がついていると言っても、そこは能力の高さと18歳という年齢。いくらでも変われるのです。若さ最高。

 そして守備、ここでマックコーチ登場。2014年限りで21年の選手生活にピリオドを打った金子誠選手。ファイターズが北海道に本拠地を移転したのは2004年なので、北海道からのファンは金子誠選手の現役時代の半分を知らないことになります。

 背番号30の頃、新人王、セカンドでのゴールデングラブ賞……それを経て私たちの前に現れた金子誠選手は20代とは思えないそりゃあもう貫禄たっぷりの選手でした。到底、ファンには近寄りがたい存在でしたし、金子誠選手も自らを「あまのじゃく」と表現してファンとは距離を置いてるように思いました。

 それでも早急にファンに受け入れられたのは、野球への取り組み方が一流だというのがすぐにわかったからです。特に守備のクオリティの高さは見たことのないレベルでした。握手するよりもサインするよりも笑顔を見せるよりも、まずは最高のプレーを見せる事、それが一番のファンサービスです。その最たる存在が「マック選手」でした。

 引退後のマックさんはファイターズで指導者となり、4年目の今年はいよいよ内野守備コーチに初めて就任しました。内野手のゴールデンルーキーの育て方については様々なプランが話し合われたと思います。大谷選手の時もそうでしたが、言わば球界の宝を預かるわけなので、それはそれはデリケートな仕事がファイターズに任されたことになります。

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