2023年11月、ウクライナ東部の激戦地アウディーイウカ。ロシア軍の外国人部隊に志願した日本人兵士・金子大作氏は、生存率を度外視した非情な突撃作戦に身を投じる。

 深夜に急襲をかけた部隊を待ち受けていたのは、昼間と見紛うほどの監視の目と、雨霰と降り注ぐ敵軍の猛砲撃だった。極限の恐怖のなか、隣の戦友は眼球が飛び出すほどの重傷を負い、味方は次々と撃たれて倒れていく。さらに金子氏の足元には、予期せぬ手榴弾が転がり込み――。

 10名中5名が命を落とした凄惨な白兵戦。手榴弾の爆発に二度巻き込まれ、下半身の大量出血と顔面への被弾に見舞われながらも、なぜ彼は「生きて」戻ることができたのか。新刊『ロシア軍の日本人兵士 最強の特殊部隊「アフマット」で見た地獄』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

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写真はイメージ ©getty

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正面の敵を一人で殲滅しろ

 突撃作戦のメンバーは10人。僕以外は全員ワグネル出身の兵士である。

 作戦はかなり大雑把だった。僕が正面から敵に向かって匍匐前進で向かっている間に、残りの9人が右翼から敵の陣地に突撃をする。敵は突撃に気を取られるから、正面の敵を僕一人で殲滅しろという。