街で異彩を放つ改造車。そのド派手な見た目の裏には、オーナーたちの人知れぬ苦労がある。シングルで3児を育てるタトゥーのママ、鬱を経験した元テレビマン、総額400万円超をつぎ込む女性、マンション一軒分を溶かした会社員──。愛車に飽くなき情熱を注ぐ彼らの素顔に迫る。
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それぞれの事情を抱えて
30系セルシオをカスタムする「るいせる」さんは、29歳にして3児のシングルマザーである。17歳で子どもができ、高校は中退。産後すぐに働きはじめ、現在は解体屋をやりながら育児に奔走する毎日だ。
車の免許を取って最初に買ったのはマニュアルのヴィッツRSだったが、「子どもがいてマニュアルはちょっと厳しいかな」とすぐに降りた。その後はN-BOXやヴォクシーなど子育て向きの車を乗り継ぎ、1年ほど前にセルシオを購入。
ただし「お菓子とかジュースとか、めっちゃこぼされちゃう」ため、子どもたちを乗せることはない。小学生の長男はすでにバイク好きで、かつて母が乗っていた車種が通ると反応するという。
「ほんと、血は争えないなと思いますね」
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50系プリウスを弄る「たかプリ」さんは21歳の元テレビマンである。知り合いから朝倉未来さんの『BreakingDown』の制作を手伝わないかと誘われてテレビ業界に入り、霜降り明星の番組にも関わった。
しかし初任給は10万円、家を借りる余裕もなく毎日オフィスで寝る日々。やがて鬱になり、一度地元へ帰った。車を買ってカスタムをはじめたのはその頃からだ。
「プリウスミサイル」と揶揄され、SNSでは「新型核ミサイルですか?」とバカにされることもあるが、「色んな人が色んなことを言ってくる状況を、どこかで楽しんでいる自分もいる」と語る。
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ショッキングピンクのbBに乗る「枝美」さんは、総額400万円から500万円をかけてカスタムを重ねてきた。
父がトラック関係の仕事をしており、幼い頃からデコトラの雑誌に親しんだ。最初は父の仕事の関係で割引がきく三菱のランサーワゴンを買ったが、カスタムパーツがなく弄れない。その後メーカーを気にせず車を乗り換え、10年ほど前にこのbBを手に入れた。3回の仕様変更と2回の塗り替えを経て、ショップのデモカーとして大阪オートメッセにも出展。
今やイベント専用車となり、普段の足はダイハツのトールだ。
「車のために働いているようなものですが、たぶん私は、これがないと生きていられなくなっちゃうと思うので」
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レクサスLSをカスタムする「A氏」は、車にかけた総額が「マンションが買えるくらい」になるという30代の会社員である。
今のLSだけでも改造費は約500万円。それでも彼は、車の改造を「長い時間を過ごす場を自分好みにする」行為だと捉えている。
「自分の部屋にこもるとか、一人でカラオケ行くとか。私の場合は、たまたまそういう逃げ場が車しかなかったんですよね」
現在はTikTokでイベントの様子を発信し、若い世代に車の面白さを伝えようとしている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。







