街を行く「働くクルマ」に憧れるあまり、あろうことかマイカーとして所有してしまった者たちがいる。維持の苦労や周囲の反応など、商用車オーナーたちのディープなカーライフに迫る。

 今回は、「第7回 商用車ミーティング関東(主催・千城バス)」の出展者から、日野・リエッセに乗る「きんぎょ」さんをご紹介。

家庭の事情から、複数の車椅子乗車が可能なバスを購入した「きんぎょ」さん

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「バス個人所有」の思わぬ効果

 この車はもともと、宮崎県でコミュニティバスとして使われていた車両なんです。バスとしてはコンパクトですけど、自宅の駐車場に収まるサイズだとこれが限界だったんですよ。

 そもそもバスを買ったのは、家の事情が大きいですね。ウチでは親戚みんなで出かける機会がちょいちょいあって、足の悪い方が数名いるので、車椅子を2、3台乗せられるステップリフト式の車両が必要だったんです。

日野自動車の小型バス「リエッセ」。車椅子マークが示す通りバリアフリーに対応する

 もちろん、バスがそもそも好きなのもありますけどね。私自身、普段は車のメーカーで乗用車の開発に関わっているのですが、個人的にはむしろ商用車の方が好きで。なんというか、割り切ったつくりに惹かれるんですよ。テスト車両より、家にある軽トラの方が乗っていて楽だったり。

平成21年式のリエッセ。全長7mはバスとしては小型の部類

 なのでバスを運転するのも好きなんですけど、さすがに駐車場は大変ですね。自宅に停めていると、ご近所さんからは驚かれますし。「よくこのスペースに入ったね」とか。

 敷地内に収まったのはいいものの、かわりに私の軽トラと妻の車が押し出され、別の駐車場を借りることになりましたし……。妻は一応、「使う目的があるんだからいいんじゃない」と納得してくれているんですけどね。

見慣れた路線バスの光景がつねに日常にある

 あとは、娘がこのバスを気に入っているのも大きいかな。公園に出かけなくても、バスのなかでかなり遊べちゃいますから。色々パーツやスイッチの機能について聞いてきて、今ではだいぶ詳しくなりましたよ。今日も一緒に来ていて、見学者の方に頑張って説明しています(笑)。

 ただこの車で出かけると、ちょっと困ったことも起きますね。普通の路線バスに間違われたり。納車されてすぐ、ホテルの駐車場で出発の準備をしていたら、「どこ行きですか?」と聞かれちゃって。反射的に、「すみません、回送中なのでご乗車いただけないんです」と答えちゃいましたけど……。

ダッシュボード上のバックモニターで後方の安全を確認

 維持するのは大変な面もありますが、私自身が国家一級整備士なもので、普段から車に触って技量を保っておきたいんですよね。仕事の方では整備と関係のない業務になっていますから、プライベートで車を弄る時間をなるべく作っておこうと。

整備士としての技術を保持するため、日頃からリエッセを自身で整備している

 自宅にタイヤチェンジャーまで買いましたし、しっかりメンテナンスして車両も技術も維持していきたいなと思います。

次の記事に続く 「ただやっぱり、周囲の目は気になりますよね」タクシー、パトカー、救急車…働くクルマを何台も所有する男性の“納得の職業”とは

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