街を行く「働くクルマ」に憧れるあまり、あろうことかマイカーとして所有してしまった者たちがいる。維持の苦労や周囲の反応など、商用車オーナーたちのディープなカーライフに迫る。
今回は、「第7回 商用車ミーティング関東(主催・千城バス)」の出展者から、救急車仕様のいすゞ・ファーゴを展示する野村さんをご紹介。
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知られざる「劇用車レンタル」の世界
実はこの車、ドラマなんかで使ってもらうための劇用車なんです。私自身、「東京フリート」という会社をやっていて、しばらく前からこういった車両のレンタルサービスをしているんですよね。
もともとメインは中古タクシーの買取・販売なんですけど、何度か「撮影にタクシーを貸してほしい」という依頼があって。それ以来、「緊急車両も需要があるのでは」と思い、仕入れるようになったんです。
この車両もそうですが、基本的に劇用車は実際に使われていたものを仕入れています。もちろん、市場に出る際に装備が外されちゃっているものもありますが、そこはなるべく備品が揃っているものを仕入れるようにして。この車も、ほとんど買ったままの状態ですね。
緊急車両でもパトカーだけは市場に下りてこないので、自分たちで架装していますが、救急車や消防車は普通にオークションにも流れてくるんですよ。ヤフオクとかにも出ていますし、マニアの方が個人で落札するケースも珍しくないみたいですね。
実際に貸し出す際は、我々が直接現場まで乗っていく形です。もちろん、公道を走るときは回転灯やサイレンのスピーカーなんかは外さないといけないですけどね。でも車体そのものに関しては、ほぼこのままの状態で大丈夫なんですよ。本物のパトカーに並ばれても、チラッとこっちを見るくらい。何か言われたことはないですね。
ただやっぱり、周囲の目は気になりますよね。コンビニやラーメン屋なんかにも、気軽に停められないですし。とくにパトカーだと、うっかりスピードも出せないです。ネットで「パトカーが違反してた」なんて拡散されたら大変ですからね。
お客さんは制作会社がメインになりますが、思いもよらない需要もあって……。あるときなんか、本物のお巡りさんがうちにパトカーを借りに来たんですよ。理由を聞くと、警察官同士で結婚式を挙げるので、パトカーの前でウェディングフォトを撮りたいと。「そんな需要もあるのか」と驚かされることも多いですね。
そうやって、レンタルのサービスで全国色んなところに行きましたし、退屈しない仕事ですよ。ただ、ここから事業を広げる気にはならないかな。さすがにいい歳ですからね。周りからは、「死んだらあの車はどう配分するんだ」なんて言われる始末ですから(笑)。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。





