年齢や肩書は違えど、「唯一無二の愛車」のために全力を賭ける型破りなオーナーたちがいる。父と同居し車にすべてを注ぎ込む溶接工、中学で書道の師範を取得し車のペインターになったタトゥー女子、フェラーリと悩んでレクサスLCを選んだ彫り師、そして物価高に苦しみながらもマクドナルドで副業してカスタム資金を捻出する21歳の女性――。連載「レッドゾーンな幸福論」に登場した4人のカーライフに迫った。
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「どっちにしろ、お金が飛んで行くことに変わりはない」
40系レクサスLSをカスタムする翼さんは、18歳でLSを購入して以来、歯止めの利かないカスタム沼にはまり続けている。
「イベントで結果が出ないと悔しくて、『もっと仕上げなきゃ』となりますし。賞をもらえても、嬉しくてさらに弄りたくなるので……。どっちにしろ、お金が飛んで行くことに変わりはないんですよ」。
現在のLSは2台目で、前車からのパーツ移植も含めたカスタム総額は1000万円超。独身で父と同居しているからこそ実現できる投資額だ。
父とは職場も同じ溶接の現場で、文字通り四六時中一緒だという。「車絡みの話から『そうじゃねぇだろ』と険悪になるも、またいつの間にか車の話で元通りになる」と語る関係性がなんとも微笑ましい。
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ラシーンをピックアップトラック仕様にカスタムしたNOAHさんは、カスタムショップを営む父のもとで育ち、フリーランスの車・バイクのペインターとして活動する。
カスタム費用は約450万円。
「車のほかにかけるものもないですし。誰もやっていない形っていうのは魅力なので納得の出費」と言い切る。もともと母が書道の先生で、自身も中学で師範の資格を取得。高校時代にはフィジーに留学してタトゥー文化に惹かれ、デザインの道へ進んだ。
現在は「痛車乗り」を主な顧客に、ステッカーではなく手描きの一発勝負で車体にペイントを施す。
「完成した車両を見せる瞬間が一番のやりがい。納車するとき、お客さんの顔が変わる瞬間、『あ、やってよかったな』と心から思いますよ」。
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フェラーリと悩んだ末、納車の早さを理由にLCを選び、カスタムには500万円超をつぎ込んできた。
さらにアルファード、シーマ、ハイエースも維持する。全身に入ったタトゥーは、彫り師を始める際に「どこが一番痛いのか知っておこう」と自ら試した結果だという。
それでも「街中でタトゥーの人を見るとビビっちゃう」と笑う意外な一面も持つ。
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19歳でマークXのG'sを購入した「清楚真面目」さんは、京都から千葉へ引っ越したばかりの21歳。
物価高に直面し、「コメから何から全部高いし、ほんと死活問題」と嘆きつつも、イベントに向けてマックで副業し資金を捻出した。
「新しいパーツが家に届いたときと、車が完成したときは、ほんとに言葉にならんくらい幸せ」
その言葉に、すべてのオーナーに共通する衝動の正体が凝縮されている。
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