街を行く「働くクルマ」に憧れるあまり、あろうことかマイカーとして所有してしまった者たちがいる。維持の苦労や周囲の反応など、商用車オーナーたちのディープなカーライフに迫る。

 今回は、「第7回 商用車ミーティング関東(主催・千城バス)」の出展者から、三菱ふそうのエアロバスに乗る「エヌズ」さんをご紹介。

事業の業績が伸び、「別荘かバスか」で迷った末バスを購入したという

◆◆◆

ADVERTISEMENT

まさかの“観光バス購入”で広がる人生の幅

 しばらく前から建築関連の仕事をしていて、コロナ禍でたまたま業績がすごく伸びたんですよ。それで、妻と「別荘でも買おうか」という話になったとき、妻の方から「バスにしたら? 好きなんでしょ?」と提案されたんですね。

三菱ふそうの29人乗り車両「エアロバス」。観光バスとして用いられていた車両を買い上げた

 バスは昔から好きでしたが、まさか実際に買うとは夢にも思わなかったです。でも、その妻の言葉でハッとさせられて。「たしかに、バスなら何かあっても処分しやすいし……」と、すぐに購入を決めましたね。

 やっぱり最大の問題は置き場ですよね。私の場合は幸い、付き合いのあるお蕎麦屋さんが広い敷地を持っていて、そこをバス仲間たちと使わせてもらって……。そうした環境がなければ、ちょっと維持するのは難しかっただろうなと思います。

ドライバーを包み込むように配置されたスイッチ類が印象的なコクピット

 この大きさのバスを買って、最初は「使い道に困るかな」とも思いましたけどね。あったらあったで、色んな楽しみ方ができるんですよ。今は週に1、2回は動かしていて、仲間と温泉に行ったり、お寿司の食べ放題に行ったり。気軽に大人の遠足ができるようになりました。

ヘッドレストの白いシートは使い捨てタイプ。Amazonなどでも手に入るのだとか

 私自身、以前トラックドライバーをしていたので運転には困りませんが、みんなを乗せているときの疎外感はありますね(笑)。20人くらいを乗せると、後ろで飲んでカラオケして、もう大騒ぎですから。「俺もそっちがいいんだけどな……」って。

 最初、友人たちにバスを買ったと伝えたときは「お前はバカか」と呆れられましたけど、実際に見せると盛り上がっちゃってね。多分みんなマイクロバスくらいのサイズを想像しているので、ギャップに驚くんだと思います。

運転席右側には照明やエアコンの操作スイッチが並ぶ

 ただ、出先で事業者と間違われるのはしょっちゅうですね。高速のパーキングで休憩して、戻ってきたら知らない人が座っていたり。どうやら隣の観光バスと間違えて乗ってきちゃったみたいです。

 まぁそういう経験も含めて、人生の楽しみ方は間違いなく広がったと思いますよ。せっかくの車両なので、もっと色んな使い方ができればいいんですけど。

「大勢の仲間と気軽に遠出できる」というのは大きな財産だ

 法律の壁がなければ、親孝行ツアーを開催するとかね。色々調べながら、他の人に楽しんでもらえる使い方を見つけたいですね。

次の記事に続く 息子の同級生からは「あそこの親父はタクシードライバー」と勘違いされることも…激レアタクシーを趣味で維持する男性の“この車じゃないとダメ”な理由《周囲の人からの本音は?》

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。