「そういう女性は、そもそも交際する意思などない。高価な食事をしたいだけだ」
これまで出会った女性は300人以上……アプリ、相談所、パーティー、バスツアーなどさまざまな婚活方法を試したライターの石神賢介氏が明かす「会ってっはいけない女性の特徴」とは? 新刊『婚活中毒』(星海社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
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食事を求めて婚活する女性たち
ある日、婚活アプリで30代半ばの女性から申し込まれた。アラカンのオヤジが30代女性からアプローチされるなどきわめてレアなケースだ。
若く年齢差がある女性からのアプローチはたいがい詐欺だ。投資の勧誘を疑っていい。しかし、彼女には投資目的や詐欺のにおいはなかった。地味でまじめそうだった。もちろんモデルのような容姿ではないし、LINE IDの交換も求めてこなかった。
すぐにマッチングして、すぐに会った。早めに会うことを求められたからだ。しかし、そこには理由があった。
対面したのは都内の洋食レストラン。フロアの女性スタッフからメニューを受け取るなり、彼女はステーキを自分の分だけで二人前選んだ。驚いた。もちろん彼女は食欲旺盛なスポーツ選手ではない。どちらかというと小柄で細い女性。
「そんなにたくさん食べられますか?」
一応確認すると、にっこりとうなずいた。
彼女はいくつも料理を平らげる。筆者はその様子をただ眺めるしかなかった。食事を終えると、翌日食べる分もテイクアウトした。
「明日の朝の分も注文してよろしいでしょうか?」
そう言いながら、ワインもグラスで5杯、カパカパと飲み、店を出たとたんにその場に倒れ込んだ。
彼女は動かない。救急車は呼ばないでほしい、という。5分経ち。10分経ち。すると突然立ち上がって、すでにクローズしている洋食レストランに強引に入っていった。驚いているお店の人たちを見向きもせずトイレに直行した。やがて、すっきりとした表情で現れた彼女は「もう大丈夫でございます」と言い、徒歩で帰っていった。
謎の女性だったが、食事中の会話の様子では、コロナ禍に職を失ったらしい。
ひたすら食べる自称アイドル
30代後半の自称・アイドルとも出会った。プロフィール写真が魅力的だったので、断られることを承知で申し込んだらマッチングした。
「私、太らないように気をつけているので、お野菜とお魚とチキンばかり食べています」
アプリを通して、そんなことを伝えて来た。