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「遺体の後頭部に大きな傷」「腕や背中も引っかかれ…」60代女性がヒグマに襲われ死亡…アウトドアで遭遇する“危険な動物”たち

「遺体の後頭部に大きな傷」「腕や背中も引っかかれ…」60代女性がヒグマに襲われ死亡…アウトドアで遭遇する“危険な動物”たち

『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』より #2

2023/08/12
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知っておきたい安全知識(4)ダニに咬まれたら

 吸着して間もないダニは、先の尖ったピンセットなどでつまんでゆっくり引き抜けば、容易に取り除くことができる。その後、傷口を消毒して、抗ヒスタミン系の痒み止めを塗っておけばいい。吸着後1~2日以内だったら、「ワセリン法」も有効だ。これは、咬まれている箇所に、たっぷりのワセリン(ハンドクリームなどでも可)をダニごと覆い隠すように塗り、窒息させるという方法。30分ほど放置してガーゼや布で拭き取れば、ダニが取れることがある。 

 それでも取れなければ、皮膚科の医院に行って切開除去する必要がある。ダニに咬まれたあと、数週間ほどは体調の変化に注意し、発熱などの症状が現れたら医療機関での受診を。

知っておきたい安全知識(5)サメに襲われたら

 日本近海に生息しているサメは、積極的に人間を襲わない種が多いとされているが、獰猛なオオメジロザメやイタチザメも生息している。また、サメによる人的被害も昔から散見される。海で泳いでいるときにサメと遭遇しても慌ててはならない。といってもムリな話だが、パニックになってバシャバシャすると、よけいにサメの興味を引くことになってしまう。とにかく落ち着くように努め、静かにサメの動きを観察し、襲ってこないようであればゆっくりとその場を離れる。万一サメが襲いかかってきたら、必死になって抵抗するしかない。サメの弱点である目や鼻先を狙って、パンチや蹴りを何度も繰り出すことで、運がよければ撃退できるかもしれない。

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知っておきたい安全知識(6)ダツが刺さったら

 ただちに止血処置をして、医療機関に急行する。ダツが体に刺さったままだったら、引き抜くと出血が止まらなくなってしまう可能性がある。かといってそのままにしておくと、ダツが暴れて傷を深くしてしまうので、胴を切り落として頭を残したまま、できるだけ早く医療機関で治療を受ける。

知っておきたい安全知識(7)海の有毒生物に刺されたら

 魚やウニ、ヒトデなどの毒トゲが刺さったら、トゲを抜き取り、傷口を強くつまんで毒液を搾り出し、きれいな水で傷口をよく洗い流す。毒成分は熱によって急速に分解されることが多く、43度ほどのお湯に60~90分ほど浸けておくと痛みが和らぐ。お湯を入れたビニール袋を患部に当ててもいい。イモガイの仲間であるアンボイナは、強烈な神経毒を持ち、刺されると短時間で歩行困難となり、浅瀬で溺死してしまう事故も報告されている。

 刺されたらその場で助けを呼ぶとともに海から上がり、早急に病院へ。クラゲやイソギンチャクなどの刺胞動物に刺されたら、刺胞や触手などを海水で洗い流し、患部を氷や冷水で冷やす。真水を使うと刺胞の発射を促してしまうので、海水を使うこと。ただしハブクラゲの場合のみ、酢で洗い流すのが最も効果的だ。刺された箇所をこすると刺胞の発射が促進されるので、こすってはならない。

 なお、アナフィラキシーショックを起こしたときは、早急に医療機関へ搬送すること。

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