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「おかしいと気づいていた」お金持ちがビッグモーターに車を持ち込まない当たり前の理由2つ

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次々と発覚する問題を目の当たりにして、ビッグモーターで車の買い取りを利用したことがある人は後悔しているかもしれない。しかし、資産1億円を貯められるようなお金持ちは違うようだ。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「平均年収や最高年収を見れば、同社のビジネスは普通のやり方では数字が合わないことが明らか。お金持ちはそれに気づいて、避けていた人もいたはず」という――。

写真=iStock.com/dima_sidelnikov ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/dima_sidelnikov

そもそも買い取りで高く売ろうという発想がない

ビッグモーター問題が注目を集めています。過去に車の買い取りや修理を依頼したことがある人は「もしや自分も何らかの被害を受けていたのではないか」と心配になっているのではないでしょうか。

しかし、資産1億円を貯めるようなお金持ちで、ビッグモーターを利用している人に出会ったことがありません。そもそも、堅実なお金持ちは、車を買うと10年以上乗り続けて、乗り潰す人が多いので買い取りで高く売ろうという発想があまりない、ということがあるかもしれません。

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それに、お金持ちが買い取りを利用しようと考えたとしても、ビッグモーターには車を持ち込まなかったはずです。それは、明らかに「おかしい」と思える点があったからです。

給与の2倍以上の粗利を稼がなければ成り立たない

ビッグモーターは高額な報酬を大々的にアピールして人材を募集していました。大手求人サイトには「平均年収1109万円、入社2年目で2000万円以上、最高年収4600万円」と記載されています。

中古車販売業は他の業種と比較して、高い粗利率を稼げるビジネスとはいえません。ビッグモーターの社員が高額な給与をもらっているということを知ったとき、お金持ちは「どうやってそんなに儲けているんだろう」「自分の車を買い取りに出したら食い物にされるんじゃないだろうか」と考えます。

ビッグモーターのビジネスから考えて、直観的に数字が合わない違和感を覚えるのです。

一般的な企業の場合、給与の2倍以上の粗利を稼いでいなければ、経営が成り立ちません。粗利とは売り上げから原価を差し引いた金額です。企業経営に必要な人件費や販売管理費などの経費は、すべて粗利から支払われます。

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