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【実物写真入手】「しばらくお米はありません!」の張り紙には“元ネタ”があった? 現役時代の立浪監督が星野仙一に激怒された“両手におにぎり事件”のトラウマ

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 実は今回の“米騒動”には元ネタがある。

 かつて西武で黄金時代を築いた広岡達朗元監督も、白米を禁止したことがある。しかし単なる禁止ではなく、代わりに玄米を取らせるようにしたという。西武黄金期の元選手が回顧する。

「広岡さんは常勝チームを作り上げるため、体作りまで細かく管理していた。玄米は白米より栄養価が高く、グラウンドでのパフォーマンス向上につながると広岡さんは考えていた。今回の中日のように理不尽な理由ではなかったし、何より『広岡さんの教えを実行すると結果が出て給料が上がる』という信頼感があったので、選手から不平不満はほとんど出なかった」

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立浪監督が星野仙一に怒られた「両手におにぎり事件」

 さらに別の中日関係者によると、立浪監督自身も現役時代に「お米」で失敗した苦い記憶があるという。

 星野仙一氏が39歳で監督に就任し、最も血気盛んだった第1次政権時代のことだ。神宮球場でのヤクルト戦で“事件”は起きた。

星野仙一 ©文藝春秋

「立浪さんが試合中にベンチ裏で両手におにぎりを持ってほお張っているところを星野さんに目撃されたんです。試合中に空気が緩むことを極端に嫌う星野さんは、それに激怒しました。ただちにチーム全体に球場での米の提供がなくなり、しばらくはバナナなどだけになった。星野さんに殴られまではしていないが、この一件で相当なインパクトを受けたのだと思う。米禁止令を出したと聞いて、真っ先に『星野さんのやり方をマネしているのだろうな』と思った。あえて主力に活を入れるのもそっくり」