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「痛い痛い痛い!」「ファーストライブだけどきっと…」人気の絶頂で突然の降板に…声優・後藤邑子と“あの頃、頭をよぎったこと

「痛い痛い痛い!」「ファーストライブだけどきっと…」人気の絶頂で突然の降板に…声優・後藤邑子と“あの頃、頭をよぎったこと

『私は元気です』#1

2023/09/16
note

「いつこの表舞台を去ってもよくするためのライブ」のはずが…

 このライブに参加してくれた皆が、いつか思い出してくれる時に「お祭りみたいだったなぁ」と、すぐにその時の光景が思い浮かぶものにしたかったのです。思えば今までアルバムを出す際も、私が一番自分の意見を通してきたのはジャケットやPV、いわゆるビジュアル的な部分でした。ライブには、ゲストとしてダメ元で呼んだ好きな先輩たちも駆けつけてくれました。

たくさんのゲストが駆けつけたステージ(後藤さん提供)

 大成功と言ってもいいくらいに、自分の実力以上のことができたライブでした。気持ちは、ファーストライブ兼ラストライブ。みんなの喜ぶ顔も見られたし、伝えたいことも言った気がするし、これで、いつ去ってもいい。けど、なるべく長くいられたらなぁ……。

 いつこの表舞台を去ってもよくするための「今までありがとう」のライブでしたが、去りたくない気持ちが強くなってしまいました。

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 かつてあれほど敬遠していたタレント活動を、こんなに愛おしく思う日が来るなんて想定外。想定外のうれしさとさびしさです。夢のような時間でした。

「飛行機に乗るなんてとんでもない」

 フィンランドで2011年6月に開催されるアニメイベントで、ライブをしてほしいと招待された時も即答しました。やりたい。行く!

 当時の主治医、と言っていいのか、通っていた民間療法のクリニックの医師には「飛行機に乗るなんてとんでもない」と言われました。