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人生に「夢を持つ」のはやめなさい…マツコに学ぶ「自分は負け組だ」と落ち込む人が根本的に勘違いしていること

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genre : ライフ, 芸能, 社会, ライフスタイル

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成功するきっかけとはなにか。私は「誰かとの出会い」にしか見いだせない。いくらすさまじい剛速球を投げる投手がいたとしても、スカウトの目に留まらなければプロ野球には入れない。どんなに天才的プログラマーであっても、その能力にホレ込んで投資をしてくれたり、導いてくれたりする人物がいなければ、なかなか世には出られない。

マツコにしても、もともとは雑誌編集者だった。おそらく「将来、絶対にテレビで多数のレギュラーを獲得してやる」なんてことは考えていなかったはずだ。毎日、粛々と仕事にあたるなかでいろいろな出会いを得て、あるときテレビ関係者から「毒舌で正論を述べる様が痛快だし、ルックスもテレビ映えする」と評価され、徐々に活躍の場面を増やしていったのだ。「流されるように生きてるから」という発言の真意は、そういうことなのだと思う。

余計な期待を抱かずに生きる

【「『何も手に入んないんだこの世は』って思って生きてると、どんな状況でももう愚痴を言いながら生きていけるわよ」】

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→これは「余計な期待なんて抱かないほうががいい。世の中なんて、悪い状況がデフォで、いいことがあったらラッキーと思うべき」ということだろう。だからこそ、腹が立ったり、思いどおりにならなかったりした場合は、仲間や家族に愚痴る程度で、とっととスッキリしてしまえばよいのだ。どうせ期待どおりになんていかないことばかりなのだから、済んだことをいつまでも悔やんだところで無意味である。軽く愚痴ったら、あとは即座に気持ちを切り替えるのが重要、ということだ。

僭越ながら、ここまでマツコの心の内を勝手に推測して話を進めてしまったが、発言を振り返りながら、マツコの考え方と私の考え方には非常に似通ったところがあると、改めて思った。マツコの発言の意図は大きく外していないと考えるが、ここで述べてきたことはあくまで私の解釈(意訳)である。本稿の内容に関する責任は私にあることを、念のため強調しておきたい。

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