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「本質は宗教問題ではない」ガザ紛争の先にある“本当の脅威”とは?《ウクライナ、ガザ、インド太平洋3つの戦域は連動している》

「本質は宗教問題ではない」ガザ紛争の先にある“本当の脅威”とは?《ウクライナ、ガザ、インド太平洋3つの戦域は連動している》

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「サウジはパレスチナ問題という“建前”のために、イスラエルを非難しなくてはならず、見事に和平プロセスは頓挫した。ハマスやイランは、イスラエル、サウジをパレスチナ問題という“泥沼”に再び引きずり込み、少しでも中東におけるアメリカの影響力を低下させたいのです」

 ウクライナ戦争が進行する中、世界はパレスチナ紛争という“2つ目の戦争”を抱えることになった。今後の世界情勢について、宮家氏は部分的、かつ長期的な“消耗戦”が続く時代になるだろうと予測する。

「グローバル化が進んだ現代では、世界を一つの戦域として考えた方がいい。中国、ロシアとイランの三国は連動している。ロシア軍はイランのドローンをウクライナ戦争で使っています。中国からは軍事支援がもらいたくてしょうがない。だから中国を抑止するためには、私たちはイランとロシアも同時に抑止しなければいけない。彼らが中国に加担したら、もはや手に負えません」

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世界は“消耗戦”に突入した

 いま「現状変更」の危機は、日本の身近に迫っている。

「ウクライナ戦争が継続している今、ハマスとイスラエルが交戦状態になり、これが中東の他の地域に拡大する、もしくはイランが直接関与してきたら、世界的規模の戦争になる恐れがあります。3つの戦域は連動していますから、次に危ないのはインド太平洋です」

本格的な地上侵攻を睨むネタニヤフ首相 ©時事通信社

 東アジアをも巻き込む「世界消耗戦」の詳細とは? 宮家邦彦氏による「ガザ、世界消耗戦の始まり」は、「文藝春秋」2023年12月号(11月10日発売)と「文藝春秋 電子版」(11月9日公開)に掲載されている。

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