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富裕層に大人気の“ホテルコンドミニアム”とは何か?

2023/11/21
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 こうした利用方法はリゾート地で1週間から10日程度すごすのがあたりまえの欧米人の休暇スタイルに則ったものともいえる。また彼らは同じ室内で他人と一緒でも互いのプライバシーさえ守られていれば、同じリビングで一緒に寛ぐことにも抵抗が少ない。

ホテルコンドミニアム 3ベッドルーム(出典:FENIXホームページ)

都内の高級マンション並みの坪単価

 このホテルコンドミニアムが大いに話題となったのが、2016年に京都市の東山にオープンしたフォーシーズンズホテル京都に併設されたレジデンシャルスイートだ。この建物は全180室のうちの57室がレジデンスタイプ。つまりホテルコンドミニアムとして分譲されたのである。当時の分譲価格は4億円から10億円程度だったが、現在(23年11月時点)での中古価格は151㎡の2ベッドルームタイプで15億円になっている。

 ホテルコンドミニアムは京都だけではなく、現在では北海道のニセコ、ルスツ、富良野、長野県の白馬、沖縄、箱根仙石原などのスキーリゾートやビーチリゾート、温泉地などに広がっている。

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ニセコ駅 ©AFLO

 北海道倶知安町岩尾別で2020年に開業した高級ホテル、パーク ハイアット ニセコHANAZONOで分譲されたホテルコンドミニアムは72㎡、半露天風呂付客室が1億8000万円。メゾネットタイプなら10億円、ゲレンデ直結タイプの客室なら14億円だった。

 またニセコ中心部の比羅夫(ヒラフ)に2014年12月に開業した「木ニセコ」の ペントハウス4ベッドルーム(251.08㎡)の中古価格は6億2000万円、坪当たり816万円。都内の高級マンション並みの坪単価をつけている。