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〈偏差値50台から合格〉“発達障害で高IQ”の息子が突然「麻布中学を受験したい」と…元テレ東アナが、我が子の特性を理解するまで

赤平大さんインタビュー #1

2023/11/26
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 元テレビ東京アナウンサーで、現在フリーアナウンサー、ナレーターとして活躍する赤平大さん(45)は今年4月、発達障害と高IQの特性を持つお子さんが、偏差値50台から名門・麻布中学に合格したことを公表した。

 突然判明した、我が子の「特性」。最初は「発達障害ってなに?レベル」だった赤平さんは500本の論文を読んで知識を深め、支援のための資格を取得した。そして現在、発達障害・ギフテッドに特化した動画メディア「インクルボックス」を立ち上げ、息子の中学受験に活用した知見や支援情報などを提供している。息子の支援に始まり、政治にも声を届けるまでに至った歩みを聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)

赤平大さん ©山元茂樹/文藝春秋

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家族のことを公表した理由

――お子さんが発達障害と高IQという特性があることをメディアで語られています。発信のきっかけは?

赤平大さん(以降、赤平) もちろん、家族のことは本当なら明かしたくなかったです。ですが、発達障害に対する社会の認識のアップデートが間に合わず、息子の将来が心配だったので。

 息子にすべての事情を説明したところ「お父さんのインクルボックスの活動は僕だけじゃなくたくさんの人を救うと思う。僕も自分の発達障害を多くの人に正しく知ってほしい。だから公表して良いよ」と言ってくれたので、苦渋の決断でしたが公表しました。

――「発達障害に対する社会の認識」で苦労する面が多かった?

赤平 苦労しかなかったですね。小学生の時は、いじめはもれなくありました。転校先を探してもずっと最適な逃げ場がなくて、その果てに、息子が努力して運良く麻布中学に入学しました。でも麻布が安心できる場所かどうかはまだわからないので、私は小学校時代と変わらず毎日心配しています。

 

年長のときに発達障害と高IQが発覚

――お子さんの特性に気づいたきっかけはなんだったのでしょうか。

赤平 息子は、4歳頃には、保護者向けに書かれたお知らせも英語も読めていたそうで、その様子を見ていた保育士さんから、「ご自宅で勉強しているんですか?」と聞かれました。特別なことはなにもしていなかったのでそれを伝えると、「一応受けてみてはどうでしょう」と、検査をすすめてもらいました。当時の私は知識がなく、子どもの発達として息子がどういう水準にあるのか、まったくわかりませんでした。

 その後、医師や行政の検査などを経て、年長のときに発達障害のひとつであるADHD(注意欠如・多動症)と高IQの特性があると診断を受けました。今は、ASD(自閉スペクトラム症)とLD(学習障害)の傾向があることもわかっています。

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