“ギフテッドサバイバー“としてSNSなどを中心に自分の体験を発信している吉沢拓さん(37)。
現在、会社員として働きながら、ギフテッドの特性を伝えるさまざまな活動を行っている。そもそもギフテッドとは何なのか、吉沢さんに詳しく話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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ギフテッドは、単純に勉強ができるというだけではない
ーー吉沢さんはギフテッドの特性があることを公表されていますが、改めてギフテッドとはどういったものなのか教えてください。
吉沢 小学生の時に、授業や勉強を「簡単すぎてつまらない」みたいに言い出したり、「なんで? どうして?」と先生への質問がしつこかったり、周りとズレた部分があって周囲から浮いている人っていませんでしたか。それが私です。人によりますが、ギフテッドとは、単純に勉強ができるというだけでなく、「なんかヘンな子」という異質さを持っていることがあります。
ただ、そもそもギフテッドは明確な基準もないし、一般的には教育現場で子どもを対象に使われる言葉で、日本ではあまり知られていない概念です。
小学校で実施されたIQテストでは歴代一位の成績
ーー吉沢さんが幼少期を振り返ってみて、周りと違うと感じたエピソードは何かありますか。
吉沢 小学校時代にピアノを習っていて、モーツァルトのソナタに突入するくらい頑張っていたらしいのですが、最後まで譜面は読めておらず、耳コピで乗り切っていたそうです。ただ残念ながら今は弾けないどころか当時の記憶もほぼありません。母から聞いた話ですね。
そのほかにも、子どもの頃って誰しも一度は折り紙をした経験があると思うんですが、私は普通の折り紙では満足せず、小学校低学年の時には大人向けの一番難しい本を参照して、80cm四方の紙から巨大な作品を作っていました。
また、小学校で実施されたIQテストの後に親が学校に呼び出されて「この学校でこんな数値は見たことがない。異例だ」と言われたこともあったそうです。その学校の歴代で一番高いIQを叩き出したと聞きました。