メンバー全員がゲイを公表しているアイドルグループ、「二丁目の魁カミングアウト」。もともとモーニング娘。の大ファンだったミキティー本物さんが、2011年に新宿二丁目を拠点にモーニング娘。の振りコピグループ「二丁目ハロー!プロジェクト(以下、二丁ハロ)」結成。2017年にはグループ名を「二丁目の魁カミングアウト(以下、二丁魁)」に改名した。現在は振りコピではなくオリジナル曲を中心にライブを行っている。

 近年では世界最大のアイドルフェスティバル「TOKYO IDOL FESTIVAL」に出演したり、アイドルの聖地中野サンプラザでのワンマンライブを成功させたりと、力強くも繊細なパフォーマンスでその人気をどんどん高めていっている。

「学生時代は、マイノリティの自分を偽ることに必死だった」と語る二丁魁の発起人・ミキティー本物さんに、ゲイアイドルグループを結成するまでのお話を伺った。(全2回の1回目/2回目に続く)

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J-POPマニアで「モー娘。」オーディションに応募したことも

――「二丁目の魁カミングアウト」は、力強くも繊細で、そしてかわいらしい、まさに“正統派アイドル”といったパフォーマンスが魅力のひとつだと思います。昔から歌やダンスは好きだったのですか?

ミキティー 小学生の頃から大好きでした。その頃はB'zや小室ファミリー、SPEEDのマネをよくしていました。友だちとユニットを組んでクラスメイトの前でミニライブをしたりして。みんなから「歌が上手いね!」と褒められるのが、とにかく嬉しかったですね。

 

――B'zや小室ファミリーが好きだったとは意外です。

ミキティー とにかくJ-POPマニアだったんですよ。音楽番組は録画して何回も見返すし、お小遣いはすべてCDのレンタルに使っていました。当時のイントロドンをしたら、誰にも負けない自信があります。「誰が好き」というよりも、音楽そのものが好きでしたね。

――そこからなぜアイドルに憧れるように?

ミキティー 学生時代に「ASAYAN」を見始めた頃、ちょうどモーニング娘。のオーディションを開催していて。最初は不安そうな顔をしていた女の子たちが、レッスンを受けていくうちにどんどんアイドルの顔になっていくんですよ。それに感動しちゃって。