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――それでも、こっそり練習は続けていたんですよね。

ミキティー 自宅の部屋に籠もって、毎日歌やダンスの練習をしていました。あと、作詞作曲をしてみたり、モーニング娘。の曲がラジオで流れてきたら、想像で振り付けをしてみたりも。

 ボーカルと作詞作曲が学べる専門学校に通ったり、一時期はピアノを弾ける女性とユニットを組んで、オリジナル曲を作ったりしたこともあったんですよ。

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 今、二丁魁の作詞や作曲を担当したり、振り付け師としても活動させていただいているのは、この時期があったからだと思っています。実際、昔書いた曲をアレンジして、リリースしているものもありますしね。

 

不安で、自信がなくて、卑屈な自分を救ってくれた「音楽」

――ユニットを組んでいた時期もあるんですね。

ミキティー 普段は自分の夢を語ることはないんですけど、たまたま二丁目で出会って意気投合した女の子に、いろいろ話したんですよ。そうしたら、「私も音楽好きだから」って一緒に活動することになって。みんなに公表するのは恥ずかしかったから、ふたりで部屋に籠もって練習するだけでしたけどね。でも、その時間は本当に楽しかった。

 一方で、その時期はすごく不安定でよく家出を繰り返していましたね。とにかく不安で、自信がなくて、そして卑屈で。そんな私を救ってくれたのも音楽だったんです。

――そのときは何を聞いていたのですか?

ミキティー YUIをよく聞いていました。特に「again」という曲が大好きで。どちらかというと暗い歌詞なのですが、その暗さに救われたんです。

 

歌詞にネガティブな感情もストレートに書くようにしている理由

――暗さに惹かれたとは、どういうことでしょう。

ミキティー マイナスな感情も、悩むことも、悪いことじゃないんだ、同じように悩んでいる人がいるんだって思えたんです。ずっと「私はひとりだ」って思っていたから、すごく心に響いて……。

 二丁魁の作詞は私が全て担当しているのですが、ネガティブな感情もストレートに書くようにしています。それはYUIの歌詞で、「誰かの吐き出した不安や悩みに救われることがある」と気づけたから。私は、音楽って「ひとりじゃない」と勇気をくれるものだと思っているんです。そう思うようになったのは、YUIの影響が大きいですね。