クラブイベントで踊っている瞬間は「生きてる」って心から思えた
――そこから、振りコピグループ「二丁ハロ」を結成した経緯を教えてください。
ミキティー あるときから、ハロプロの曲を流すクラブイベントに参加するようになったんです。そこで振りコピ仲間ができて、一緒にハロプロのダンスを踊っていました。そのときの私の担当が「藤本美貴」だったから、「ミキティー本物」と名乗るようになったんですよ。
でも、そのときはアイドルを目指そうとはまったく思っていませんでした。学校を卒業後はアイドルとは関係ない仕事に就いて、生活のためだけに毎日働いていました。そんな中で唯一の楽しみが、月に1回のクラブイベントだったんです。踊っている瞬間だけは、「生きてる」って心から思えましたね。
2、3年そんな日々をすごしていたのですが、あるときテレビ局から「今度デビューするアップアップガールズ(仮)というアイドルグループとダンス対決をしてくれる人を探している」と誘われて。
「人を楽しませるのにセクシャリティは関係ない」
――それで結成したのが、二丁ハロ?
ミキティー 当時は企画のために一時的に集まっただけで、グループでメジャーデビューを目指そう、アイドルになろうとまでは考えていませんでした。
でも、初めて大勢の場でダンスを披露したら、信じられないくらい楽しくて……! 企画を観覧しているのは、アイドルファンの人ばかり。突然出てきたゲイのダンスグループなんて、興味なかったはずなんですよ。それでも、温かく声援を送ってくれて、すごく楽しかった。そのときに、「人を楽しませるのにセクシャリティは関係ない、すべては自分次第」と思えたんです。「ゲイだから」って理由で、可能性を狭めていたのは私自身だったんだなって。
それに気づいたら、もうアイドルをやらない理由はありませんでした。「二丁ハロ」の活動を正式にスタートさせたのはそこからですね。
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