Eテレで放送が始まった『でこぼこポン!』。発達の「でこぼこ」に特徴がある子どもたちを楽しくサポートするこの番組で、主要キャラクター「でこりん」に扮するのが鳥居みゆきだ。
決して子どもだけの問題ではない「生きづらさ」に、鳥居みゆきはどう向き合おうとしているのか。番組出演で「初めて人の役に立てた」と感じたという鳥居が、幼少期に抱いていた「疎外感」の正体を語った。(全2回中の1回/2回目を読む)
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――以前『女芸人の今』にもご登場いただきまして、ありがとうございました。率直にお話しいただいた分、反響も大きくて。鳥居さんにもご迷惑をおかけしたかもしれません……。
鳥居 「見た目」について話した部分だけが切り取られて受け取られてしまって、変な伝わり方はしてましたね。私は「見た目じゃなく中身で見てもらおうよ」みたいな話をしたはずなのに、「見た目で上がってきたくせに!」みたいになってて。
――そうでした。
鳥居 「ああ、見た目で上がったのか」とか思いながら(笑)。でも私、そういうのどうでもいいんですよ。とりあえず読んでくれたことに感謝なんですけど、それよりも昔の知り合いから来る「大丈夫?」「ああいうこと言うの良くないよ」みたいな連絡ですよ。それって心配してるフリなんですよ、もう腹立って。
――「あなたのために」みたいな感じで。
鳥居 そう。なのでブロックしました。まあでも、自分の都合のいいように解釈するというのも、それもオリジナリティあっていいのかもしれないです。
――ウェブは特に、全然違う文脈で捉えられてびっくりすることがあります。
鳥居 ええ。でもそれはそれで、その人の想像力じゃないですか。面白いですよね、人それぞれで。私がちょっとダジャレを言っても、ダジャレだって思う人もいれば、ダジャレの2、3個先を読んで深くとらえる人もいるんですよ。このダジャレにはこういう意味があるのではないか……って。
結局自分の知っているところにおさめたいわけじゃないですか。自分にとって一番楽なところに落とし込もうとする。
――鳥居さんのことを理解するために、自分の枠に収めようとする。
鳥居 でもわかるわけないんですよ。だって私がわかってないんだもん。親もわかってないと思う。
『でこぼこポン!』に出演することになった経緯
――『でこぼこポン!』を見て、私も自分の子どものことを全然わかってないんだなと思いました。「初めての場所が不安」の回。うちの子どもも、初めての公園に行きたがらなかったんです。番組を見て、初めてその理由が腑に落ちました。
鳥居 経験の怖さじゃなくて、未経験の怖さなわけですよね。未経験の怖さってなるべく減らしてあげたいですよね。
私は姉と甥っ子がいて、その2歳の甥っ子がすっごい喋るんだけど、何言ってるか全然わからない。「ママに聞けばわかるか」と思って姉に「何て言ってるの?」って聞いたら「1個もわかんねえ」って言ってました。だから親でもわかんねえんだって思いましたよ(笑)。
――『でこぼこポン!』に鳥居さんが出演することになった経緯は?