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――かわいいですよね、甥っ子。 

鳥居 かわいいんですよ。甥っ子は私のこと、金としか思ってないと思うんですけど。 

ーーそんなことないと思います。 

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鳥居 だって、会うたびに1万円あげてるんです。 

――そんなこと……。 

鳥居 今回甥っ子孝行をしたと同時に、親孝行もできたんですね。親がすごく喜んでくれて。知り合いから「うちも発達障害の子どもがいて」「ありがとね」みたいに言われるらしいんです。 今までは「絶対に(芸人ということを)周りの人に言わないから」って言ってたんですよ、母親。

――複雑な親心ですね。

鳥居 恥ずかしいから「隠して生きていこうね」って。私なんかが、初めて人の役に立てたと思ったんですよ。 

 

「なんですぐパニックになるの」と言われ…幼少期の生きづらさ

――鳥居さんが演じる「でこりん」はどういう役ですか。 

鳥居 「でこりん」は発明家なんですけど、年齢不詳なんです。大人の目線でもあり、子供の目線でもあり、性別もない。 あとは、発達障害の子どもたちに通じる側面もある。「でこぼこポン!」の登場人物は全員そうなんです。 

 ほんとだったら「でこりん」がワーッとやっちゃって、「ぼこすけ」がオイオイって止めて、「ポン」が「こうしたらいいんじゃない?」って提案するのが観やすいはずなんですけど、そうしてないんですよ。

 ぼこすけが「もうやだよー」って言う回もある。ポンもこだわりが強い。そういうところが、一筋縄ではいかない番組だなと思いました。 

――鳥居さんは以前インタビューで、小さい頃「なんでそんなことで怒るの」「なんですぐパニックになるの」といったことを言われてきた、と話されてました。 

鳥居 そうですね……友達もいなかったですし、あとはすごく素直に生きてきちゃったんですよ。素直というか、わがままですね。いろんなことを理解できないと、先に進めなかった。 

 たとえば、「0×」の掛け算が全く理解できなくて。答えは0なので、0って書けばいいだけの話なんですけど、それを書きたくないんですよ。理解できてないから。あとは、歌の歌詞でも「あなた」って歌ってたのに途中で「きみ」とかになると、もう嫌なんですよ。 

 

――(笑)。 

鳥居 自分の中でのルールみたいなのがあって。それをわかったうえで崩したいんですよ。だから校歌もいつも下のパートで歌ってた(笑)。 

――みんなと同じ旋律が嫌でしたか。 

鳥居 いや、こっちを歌ったほうが、みんなと合わせたときに美しいんじゃないか、みたいな。でも、結果、変な人みたいになっちゃう。