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「英語は苦手です」 広島・アドゥワ誠がみんなに愛される理由

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/06
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まだまだ未完成。みんなに愛されるキャラクター

 開幕5戦目。4月4日ヤクルト戦。8回ウラ8-5。3点ビハインドの2死1、2塁という場面でデビューを迎えた。神宮球場の3塁側ブルペンからマウンドに向かう大きな投手に対しカープファンから惜しみない拍手が送られた。一人目の広岡に対しては追い込みながら変化球が大きく外れ四球。2死満塁。続く中村を低めの直球でショートゴロに打ち取り、デビュー戦は3分の1イニング無失点で終えた。

「彼はいいやつなんです。人の悪口を言わないし、メンバーから好かれる人物です。誠、誠って」

 アドゥワの成長に目を細める荷川取監督。アドゥワとは3年間クラスの担任として、野球部の監督として、また野球部の寮でも生活を共にした。

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「こんなに早く1軍に上げてもらえるとは思わなかった。でも彼のポテンシャルはこんなものではない。150㎞は出せるでしょうし数年後にはローテーションに入ってもらいたい。まだプロになって投げる姿は直接見ていない。ローテーションに入った時にはマツダスタジアムに行って彼の雄姿を見たい。勝った時には抱きしめるかもしれません」

 関わった人の心を掴むのがうまいアドゥワには高校時代から使っている鉄板の挨拶がある。

「アドゥワ誠です。僕はこんな見た目ですけど英語は苦手です。日本語しか話せません」

 周囲に笑いが生まれ、メンバーと一気に打ちとけていくのだという。

 これから首脳陣の信頼を勝ち取り、勝敗が付く場面での起用が増えればお立ち台で得意の挨拶を披露するシーンが訪れるかもしれない。アドゥワがカープファンの心を捉える日は近いと信じている。

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