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74回目の紅白歌合戦

「人気アイドルとは思えない」と厳しく指摘され…LE SSERAFIM・宮脇咲良(25)韓国での"本当の評判"〈現地記者が解説〉

「人気アイドルとは思えない」と厳しく指摘され…LE SSERAFIM・宮脇咲良(25)韓国での"本当の評判"〈現地記者が解説〉

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中心となった「サクラ」

 現役の人気アイドルであるにもかかわらず、そのパフォーマンスには厳しい指摘を下される。そんな中、センターを務めることになり、激しいプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、仲間たちと切磋琢磨するうちに自らの潜在能力に気づき覚醒し、渾身の努力で韓国の練習生にも引けを取らないパフォーマンスを見せ、最終順位2位という好成績でデビュー掴み取る……。

 そんな、漫画の主人公のような宮脇の姿は、多くの視聴者の胸を打ったのだ。

 そして2018年10月、12人組グループの「IZ*ONE」として2度目のデビューを果たした宮脇は、K-POPアイドルとして大きな飛躍を遂げた。

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 2年半という期間限定の活動ではあったものの、韓国と日本の両国でヒット曲を連発するほど大きな注目と人気を誇り、その中心に「サクラ」がいた。

12人組ガールズグループのIZ*ONE。下段中央が宮脇咲良  ©getty

 もとより「誰よりもステージが似合う」という絶賛を受けるほどアイドルとしてのスター性を持っている彼女が、韓国のハードなトレーニングを経て「完成したアイドル」として大きな成長を成し遂げた。――それが、当時のK-POP界の宮脇への評価だった。

日本人メンバーに対する“距離”は残ったまま

 ただ、彼女に対する明確な反感もあった。多くのK-POPファンの間では宮脇への好意が定着しつつあったが、一般の韓国の大衆には日本人メンバーに対する心理的な距離が、依然として残っていた。

 韓国人にとって非常にセンシティブな事柄である8月15日(※日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」)に、「終戦記念日」とつづった宮脇の過去のSNSへの投稿が取り上げられた際には、一部の韓国国民から強い批判を受けることとなってしまった。

 宮脇の存在が韓国内で広く知られるようになるほど、大衆の反感も膨らんでいくようだった。

IZ*ONEメンバーとの宮脇咲良 ©️AFLO

BTSの所属事務所への移籍

 そうした中、宮脇は第3の波に乗ることとなる。IZ*ONEが当初の予定通り2021年で活動を終えると、宮脇はHKT48を卒業。BTSなどが所属する韓国の芸能事務所・HYBE(当時はビッグヒットエンターテインメント)行きを決断したのだ。

 これは、宮脇にとっても、HYBEにとっても大きな冒険に違いなかった。