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「きっかけは父の遺言で組んだ30年ローン」身長185cm・33歳サラリーマンが「女装」にハマった“意外すぎる理由”《写真多数》

女装サラリーマン・Nanasaiさんインタビュー #1

2024/02/04
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Nanasai 後悔がないと言ったら嘘になるかもしれません。でも最後に親孝行をしたい気持ちがあったことは確かです。母には「終の棲家は提供したから、老後はある程度は自分の力でなんとかしてほしい」と伝えてあります(笑)。

 また長年引きこもっていた姉がいたのですが、購入した家に住み続けることに堪忍袋の緒が切れて「あなたのためにならない」と出て行ってもらいました。現在は寮付きの会社で働いているので、姉が自立するいいきっかけにもなったのかもしれません。

「髪を切れ」と言われ即退職

――最初はどんな形で女装を始めたのですか?

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Nanasai Twitterに女装の自撮りを投稿し始めました。会社員である自分とは全くの別人格として、家の中だけでやっていましたね。「知り合いに楽しんでもらえればいいな」くらいの感覚でしたが、特に隠すつもりはなかったので全体公開にしていました。それが、あるとき友人のリツイートがバズって拡散したんです。それをきっかけに女装の撮影依頼がくるようになったのですが、副業禁止の会社だったので報酬の発生する撮影は受けることができませんでした。

「身長185cmだから15cmの厚底履けば2mになれるじゃん」――SNSで9000回以上拡散された投稿写真(画像:本人提供)

――髪の長さについて、職場では何も言われなかったですか?

Nanasai 騙し騙し伸ばして肩くらいの長さになった頃、上司に「長過ぎるから明日までに切ってこい」と言われました。職場環境に疑問を感じて転職を考えていたので「それなら辞めます」と答えて退職を決めました。

 辞めた翌日、元部下や近しい同僚から「在職中は触れないようにしていましたが、実はSNSで女装をしているのを知っていました」と連絡がありました。「意外なところまで届くものなんだな」とちょっと感動しましたね。

――今はどんな仕事をしているのですか?

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