「トランスジェンダーだと思われるのか『複雑なんだよね、大変だね』と同情されたり、『何も言わなくていいんだよ、私は分かっているから大丈夫』と慰められたりします。僕は楽しんでやっているだけなんですが(笑)」
20代の頃から女装にハマり、今ではその愛らしい姿からSNSでも人気を集める女装サラリーマンのNanasaiさん。そんな彼が語った、女装をめぐる「世間の誤解」とは?(全2回の2回目/前編を読む)
「いくら払えば会える?」男性からの誘いも
――女装の活動をしていることで困ったことはありますか?
Nanasai 男性からSNSで「いくら払えば会えますか?」と連絡がくることがすごく多いです。女装で性的なサービスをしている方が一定数いるので、僕もそうだと思われるようです。「そういうことはやっていません」と返信すると「これは大変失礼しました」と丁寧に謝られます(笑)。面白い世界だなと思います。
――SNSでは、他にどんな方からの反応が多いですか?
Nanasai 体が男性で心は女性の方からメッセージがくることがあります。「心と体の性別が一致せず悩んでいるけど、綺麗に女装しているのを見て希望が持てました」と言ってもらったこともあります。
お気持ちはすごく嬉しいのですが、僕自身は男性的な心を持っているんです。中性的な装いをすることを男性として格好いいと思っているし、女性の格好いい部分を知りたくて女装をしているところがあります。
――そういう方にはどう返事をするのですか?
Nanasai もしかしたら、心地良い言葉でごまかした方が人気が上がるのかもしれません。でも後から「あれ? Nanasaiって性自認が女性ではないのかな」と気づかれたら、その方はすごく傷つくと思います。
相手のためにも、「僕は心が男性なので、あなたの思いを背負うことはできません」としっかり伝えるようにしています。その時は嫌われたとしても、そのほうが誠実だしお互いにとって幸せだと思っています。
――SNSで誹謗中傷されることはありますか?