不正の長期化を招いた「ミライース」の“成功体験”
「尋常じゃないほど短い開発スパンで開発され、75万円で販売したミライースは大ヒットしました。あれ自体は間違いなく成功体験でした。ただ、この成功がきっかけとなって社内に『イースができたんやから、もっとできるやろ』と更に開発スパンが短くなっていく現象が生まれた。不正が激増しているのも、ミライース以降に開発された車ばかりですから」(同前)
そして、A氏はこう語るのだった。
「正直に言えば、社内では必ずしも『不正=悪いことをしている』というイメージはなかったのではないでしょうか。認証試験の不正についても『部品が間に合わないから代わりの仕組みを作ればいい』と、厳しい開発スパンに間に合わせようとした、むしろ“現場の知恵と工夫”という認識だったと想像します」
一体、ダイハツ社内で何が起きていたのか——。「週刊文春電子版」では「《深層レポート》ダイハツ『不正30年』の病根」と題した連載を配信中だ。第4回となる本稿は、現役管理職の告発。不正のきっかけとなった「ミライース」が生んだ嘘のスパイラル、納期に苦しむ現場が手を染めた「性能のドーピング」、不正を不正と認識していなかったという社内事情などについて詳しく報じている。
「現在のダイハツに自浄能力はない」現役管理職が決死の告発「社内は不正を“悪いこと”だと思っていなかった」ミライースが生んだ〈嘘のスパイラル〉
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