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高くても買いたい

かつて約10万円の靴が今や一足約20万円に…高級革靴・オールデンは2倍に値上がりしてもナゼ売れ続けるのか?

かつて約10万円の靴が今や一足約20万円に…高級革靴・オールデンは2倍に値上がりしてもナゼ売れ続けるのか?

2024/01/27
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 またメンズファッション界ではクラシック回帰もあり、トラディショナルな洋服が人気継続中。そして現在はスニーカーブームが一段落し、革靴にシフトチェンジする人が多くなり、オールデン人気が再び高まっている。

コードバン以外にも、各種レザーをラベルをつけて丁寧に保管する

ホーウィン社の大トロ級なコードバンを贅沢使用

 またオールデンを語る上で欠かせないのが、アッパーに使われている革だ。同ブランドではさまざまなレザーを用いるが、世界にはいくつものコードバンを製造するタンナー(革を鞣す製造業者のこと)の中でも、ホーウィン1社のみを指名する。それは、良質で色ムラの少ない原皮のみを取り扱っているから。その中でもさらに選び抜いた原皮のみを使用し、他ブランドを寄せつけないトップクラスのクオリティを保つ。独特の光沢感があるコードバンは何年経っても素材のよさが失われず、経年変化も楽しみながら履きこなせる。これもオールデンの魅力のひとつなのである。

ウェルトの縫い付けや底付けは、複数の工程を職人がミシンで行なう

快適なフィット性はグッドイヤーウェルテッド製法にあり

 ブランドポリシーともされている履き心地の秘密は、どのモデルもグッドイヤーウェルテッド製法を用いているから。インソールに縫い付けたリブの空間に、コルクをたっぷり敷き詰めたこの製法は、履く人の足がしっかりと沈み込みつつ、高いクッション性も確保されているのでストレスフリーな着用感。またアッパーとアウトソールを直接縫い付けていないため、浸水を防ぐ役割をも果たしてくれる。さらにソールがすり減ってしまっても修理ができるため、愛着のある一足と末長く付き合うことができる。

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短靴やブーツと、豊富なバリエーションが揃うのもオールデンが支持される理由

定番から新作まで歴史的大作が数多く揃う

 オールデンが展開する定番モデルから新作を紹介していこう。各モデルで使われている木型やレザーは異なるが、どれにも共通していることは着こなし映えしやすく高いフィット感を兼備。散財する価値のある革靴は、世界を見てもごくわずか。失敗しない革靴選びをするなら、オールデンに頼るのが賢明だろう。

艶やかなコードバンとモディファイドラストを使用したVチップ。18万2600円

迷ったらVチップをファーストチョイス!

 オールデンを象徴する、トウ部分がV字型をしたアルガンコン オックスフォード、通称Vチップ。1963年に誕生した同モデルは、 O脚やX脚を矯正する目的で誕生したモディファイドラストを使用。土踏まず部分を大きくえぐった、くびれたフォルムが特徴だ。トウ周りやヒールにゆとりを持たせているので、店頭でのフィッティングは必要不可欠。コードバンを贅沢に使用したアッパーは履き込んでも輝きを失わず、いつでも新鮮な足元を演出できる。