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《第三者に公表しないことをお願いしています》旧ジャニーズが回答 口外禁止条項で懸念される「被害者救済のブラックボックス化」

source : 文藝春秋 文藝春秋電子版

genre : ニュース, 社会, オピニオン, ウェビナー, 芸能, テレビ・ラジオ, メディア, 政治, 国際

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3.被害者への利益分配について……

《質問》
 貴社の事業活動が膨大な被害の上に成り立ってきた実態から、被害者への利益分配の観点で、貴社の支払い能力に応じた補償金を一律分配すべきとする声もあります。 これについて貴社のご意見をお聞かせ下さい。

《回答》
 ご指摘は真摯に受け止めておりますが、一方、弊社に所属していたタレント及びそれを支えてくださって来たファンの皆様のご支援にも目を向ける必要があります。弊社としては、再発防止特別チームの報告書に従って、補償金額の査定は被害者救済委員会に一任しております。弊社としては、補償を全うすることが責務であると認識しており、今後も、その責務を果たして参ります。

《質問》
 小誌では、被害賠償における透明性確保の一環として、貸借対照表の開示および決算公告の実施が必要と考えます。これについて貴社のご見解と対応をお聞かせ下さい。

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《回答》
 弊社としては、再発防止特別チームの提言を踏まえて、被害者救済委員会を設置し、補償金額の算定を一任していること、補償金額算定に当たっての具体的な考慮要素も示されていることから、透明性をもって、補償が進んでいると考えております。

「誹謗中傷を上回る支援・サポートの声を一人一人が発してほしい」と語る伊藤氏 Ⓒ文藝春秋

《エイトさんのコメント》
「質問に対する回答になっていないと思いますし、膨大な被害の上に旧ジャニーズ事務所の繁栄があったということなので、得てきた利益を被害者に分配すべきという議論はあって然るべきだと思います。未曾有の性加害と圧力によってこれだけの繁栄をし、莫大な資産を持っている会社。多くの被害者の悲しみ苦しみの上に成り立っていた会社の得ていた利益を分配すべきではないのかという意見は当然あります」

《伊藤さんのコメント》
「そもそもスマイルアップ社は補償専門の会社としているわけですから、補償をすることがミッション。どれだけ資産があり、被害者にどう配分していくのか、ミッションに基づいた結果の説明責任が問われます。仮に多額の資産が会社に残った場合、最終的に藤島ジュリー景子さんや東山紀之さん、顧問弁護士事務所、後継会社に承継されることはスマイルアップ社の成り立ちとして到底許されないことではないでしょうか」

同番組では、ほかにも「法を超えた救済とは?」「被害者の心のケアは?」「妥当な補償金額とは?」などの疑問に対し、旧ジャニーズ事務所から寄せられた回答の一つ一つについてお二人と詳細に分析。“史上最悪の性加害事件”をブラックボックス化させないための適切な対応を具体的に提言している。

二人が出演したオンライン番組「ジャニーズ被害者救済『ここが問題』」は、「文藝春秋 電子版」でアーカイブ配信を観ることができます。

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【フル動画】鈴木エイト×伊藤和子 ジャニーズ被害者救済「ここが問題」

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