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「アナウンサー時代はTBSのトイレで吐いてました」15歳で摂食障害になった小島慶子(51)が語る、過食嘔吐に苦しんだ15年間

小島慶子さんインタビュー #2

2024/02/23

genre : ライフ, 社会

note

「トイレで吐いているでしょ」小島さんの過食嘔吐を知った母は…

――お母さんは当時、心配していましたか。

小島 心配というより、腹を立てたんじゃないですかね。「こんなにブクブク太って」と言われました。当時、近所のスーパーマーケットや商店街を端から回って食べ物を買い込んで、コソコソ帰ってきては自分の部屋で食べ物を口に突っ込み、トイレで吐いて、を繰り返していたのはおそらく母も知っていたと思います。

 ある日、うちのトイレの浄化槽が詰まってしまって、業者さんが来たことがあったんです。すると母が、業者さんから「本来、浄化槽にあるはずのない食べ物がたくさんありました。お宅、どんな暮らしをしてるんですか」と言われたらしく。

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 そのことで母から「トイレで吐いているでしょ。恥ずかしかったわよ、そんなことを言われて」と言われたときに「そうか、恥ずかしいからやめてほしいんだ。私の身体の心配とか、どうしてそんなことをするのかという疑問はないんだ」と思ったのを覚えています。

 

――当時の食生活や心身の状態はどのような感じでしたか。

小島 とにかく食べるのをやめられないんですよね。やめたいのにやめられない。食べて頭を空っぽにしたいのです。でも就活があるから「太っちゃいけない」という一心で食べたものを吐く。吐きながら「ああ、もうこんなことやめたい」と思うけれどやめられなくて、そんな自分が嫌いだから、その現実を忘れるためにまた食べて吐く。アルコールなどの依存症の症状と似ているかもしれませんね。

 当時はなんでも食べたら必ず吐くのが習慣でした。大学生の時は、それまでより15キロほど体重が増えて、それを無理なダイエットで落として。

アナウンサー時代も隠れて食べ吐きしていた

――アナウンサーになってからも、過食嘔吐は続いたのでしょうか。

小島 アナウンサー時代も、30歳で子どもを産むまでは隠れて食べ吐きしていました。恐ろしいことに会社では食べ物がすぐに手に入るんですよ。コンビニがあって、いろんなところにお菓子やお弁当が置いてあって。

 トイレもそこら中にあるから、ひとけのないトイレを選んで食べ吐きをしていました。でも食べ吐きをしているとパンパンに顔が浮腫(むく)むんですよね。だから身体はヒョロッとしているのに顔だけ浮腫んで、特徴的な見た目になっちゃう。

 食べ吐きをする人は、誰が食べ吐きしているか大抵わかるんですよ。コンビニでの食べ物の買い方や、食べ方を見たりしてもわかりますし。

 

――画面に映る仕事をしていると、なおさら不健康な見た目が気になってしまいますよね。

小島 おっしゃる通りで、画面に映る自分を見て「あ、私はやっぱり姉が言っていた通り、顔が大きくて見苦しい。死んでしまいたい」と思って、惨めな自分を忘れるためにまた食べ吐きを繰り返すような生活でした。

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