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「本当に苦しくて死のうとも思った」33歳で不安障害発症、両親とは7年会わず…小島慶子(51)が向き合い続けた“家族との関係”

小島慶子さんインタビュー #3

2024/02/23

genre : ライフ, 社会

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 元TBSアナウンサーで、現在はタレント・エッセイストとして活躍する小島慶子さん(51)。幼い頃から40代まで、過干渉な母親との関係に葛藤し、15歳から15年間は、摂食障害にも悩まされた。

 33歳で不安障害を発症した小島さんは、約7年間、両親と会わずに過ごしたという。なぜ彼女は、親から離れる決断をしたのか。再会後、親子関係に変化はあったのか。ライターの吉川ばんび氏が話を聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)

小島慶子さん ©深野未季/文藝春秋

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「苦しいと言ってもいいのだ」カウンセリングを通して気づいたこと

――小島さんは33歳のときに不安障害と診断されたとのことですが、カウンセリングではどのようなやりとりをしたのでしょうか。

小島慶子さん(以下、小島) 不安障害を発症する前から受けていたカウンセリングでは、臨床心理士の先生に、こう言われました。「あなたが育った家庭で行われていたのは、いわゆる虐待に当たることです。子どもを叩くのは普通のことではないのですよ」「本当ですか。子どもやきょうだいを叩かない人なんて本当にこの世にいるのですか」「たくさんいます。慶子さん、あなたは苦しんでいいのですよ」というやりとりをしました。

 これでいわば、ずっと押さえ込んでいた圧力釜の蓋が開いたような状態になりました。自分は怒ってもいい、苦しいと言ってもいいのだと初めて気づいたんです。そのカウンセリングを受けている最中に第2子を出産して、産後に心身の負荷が高まった結果、不安障害を発症。臨床心理士の先生が紹介してくれた精神科の先生のもとで、投薬とカウンセリングによる治療を受けました。

 

――カウンセリングや治療を通して、小島さんご自身が気付いたこと、価値観の変化などはありましたか。

小島 ありました。何年もかかりましたけど、救いになったのは、臨床心理士と精神科医の先生方から「あなたは苦しんでいいんですよ、怒っていいし、会いたくなければ家族と会わなくていいです」と言ってもらえたことです。

「親と生きることが苦しくなってしまうんだったら、親に会わなくていいんですよ。自分の人生を大切にしてください。それが親孝行です」と。本当に苦しくて死のうとも思いましたけれど、そういう状態にある自分がおかしいわけではない、と思えたのは本当に大きな一歩だったと思います。

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