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「自分の中を変えていくのが大好き」女優・橋本愛が書評連載『私の読書日記』を通じて掴んだ「愛」の定義とは《お金の大学、養老孟司、アドラー心理学》

「自分の中を変えていくのが大好き」女優・橋本愛が書評連載『私の読書日記』を通じて掴んだ「愛」の定義とは《お金の大学、養老孟司、アドラー心理学》

橋本愛さんインタビュー #2

source : 週刊文春

genre : エンタメ, 芸能

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橋本愛にとって“愛”の定義とは?

 最後に「橋本愛にとって“愛”の定義とは?」と問うと、ひとこと「動的なもの」。

「例えば、パートナーや友達、家族に対して『なんかちょっと嫌いだな』って日とか瞬間、ありませんか? そして『ちゃんと愛せない』自分に傷ついて、人としてどうなんだろうと思い悩んでしまう。それは愛が不変で絶対のものだと考えているからですよね。愛情の上に良いコミュニケーションが築かれると捉えがちですけど、その逆で、良いコミュニケーションの上に愛という感情や状態が生まれていく。だから、喧嘩してもうまく仲直りできたら『ああ、やっぱり好き!』ってなるんだなって。愛は美しいだけではなく、愚かで汚いとも言われますけど、それは愛の一側面というよりは、愛になる手前の段階なのかもしれないなって」

 そう考えるに至ったきっかけは、精神科医アルフレッド・アドラーの言葉だったという。

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「『私の読書日記』でも紹介した(週刊文春電子版2023年11月27日配信『人の間、私は外』)、『アドラー心理学入門』(ベスト新書)に感銘を受けたんです。私なりの解釈ではありますけど、コミュニケーションの上に愛があるんだと考えることで、すごく救われて。とくに友人との関係性ってすごく変わるじゃないですか。例え『あんなに親しかったのに、どうして今は疎遠になってしまったんだろう』と感じても、『“今の私”と“今の相手”は変化したことによって良いコミュニケーションが築けないんだな。もしかしたらいつか、また変わるかもしれない』と冷静に捉えられる。この考えを持っていれば、人と関係を結ぶことを恐れずにいられるなと、とても気持ちが楽になりました」

 人、服、空間、光、書物――あらゆるものと対話を重ね、コミュニケーションを結びながら、橋本愛は変化し続けていく。次の原色美女図鑑でもきっと、まだ見ぬ彼女に出会えるはずだ。

写真=小見山峻
ヘアメイク=石川ひろ子
スタイリング=清水奈緒美
衣装協力 PETER DO/PROTOTYPES/Y/PROJECT
撮影協力 ローズホテル横浜

橋本愛さんが主演する映画『熱のあとに』は新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかで公開中です。

 

オフィシャルHP https://after-the-fever.com/
X(旧Twitter)   https://twitter.com/seiyoku_movie

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