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橋本愛はのんを「玲奈ちゃん」と、小泉今日子はプロデューサーに…『あまちゃん』ファミリーの今

CDB

2020/12/20

 橋本愛が彼女を「玲奈ちゃん」と呼ぶことについて、新作映画『私をくいとめて』公開前の記事や放送を通してファンはいち早く気がつき、SNSを通して話題になっていた。

 2013年、二人が共演したNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』が放送されていた当時なら、それは同世代の少女同士にとって親しみをこめた当たり前の呼び方だったろう。だが二人の少女のうち一人、かつて能年玲奈という稀な本名で日本中に知られた若い女優は、事務所独立問題と改名を経て「のん」と名乗るようになり、メディアもそれに倣った。

「のん」 ©文藝春秋

橋本愛が口にする「玲奈ちゃん」の意味

 当たり前のことが当たり前でなくなり、もう誰も彼女のことをかつての名で呼ぶことができなくなる中、橋本愛が当たり前のように彼女の本名、そのファーストネームを昔と変わらない親しみをこめて呼ぶことは、長い間彼女の処遇に心を痛めてきたファンにとってささやかな安らぎになった。

 橋本愛が「のん」という新しい名前を否定したり、拒否しているわけではないのはわかる。舞台挨拶では「のんさん」と「玲奈ちゃん」が混在しているし、雑誌によっては(修正された可能性があるとはいえ)「のん」と呼んでいる対談記事もある。

橋本愛 ©文藝春秋

「のん」という名前自体は、能年玲奈自身が考えた自分の名前なのだし、フランス語なら拒絶の意志を示す単語にも通じるその名前はいかにも彼女らしいセンスで選ばれたものだ。橋本愛はその新しい名前を受け入れつつ、その向こうにある本当の彼女の名前、本当の当たり前の呼び方を忘れてはいない。