『週刊文春』2024年2月8日号で、巻頭カラーグラビア「原色美女図鑑」に8度目の登場を果たした橋本愛。「かつてない私を見せたい」――常に変わり続ける彼女の姿を、気鋭のカメラマン・小見山峻が激写。横浜のホテルで繰り広げられた非日常なフォトセッションから、誌面では紹介しきれなかった秘蔵カットをお届けする。
撮影直後の高揚感そのままに彼女が語った、主演映画『熱のあとに』にかけた想い、そしてつい最近掴んだという「愛」の定義とは。(全2回の1回目/続きを読む)
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「かつてない私を見せたい」
「わっ、めちゃくちゃ攻めてますね。原色美女図鑑にはなかなかない世界観ですけど……本当に載せてくれますか?」
撮りたてのポラロイド写真を覗き込み、いたずらっぽく笑う。これまでミステリアスな雰囲気で誌面を彩ってくれた橋本愛だが、今回はペットボトルの海ではしゃぎ、枕を頭に積み上げ、ビデオテープであやとり……と、終始笑い声を響かせてくれた。
「めちゃくちゃ楽しかったです。小見山峻さんのお写真は以前から拝見していて、『めっちゃ素敵!いつかご一緒したいな』とかねてから願っていたんです。でもまさか、このタッグが原色美女図鑑で実現するとは思いませんでした。文春さん、寛容だなって(笑)」
黒髪ボブのイメージが強い彼女だが、この日はビビッドなピンクのウルフカット。「衣装も赤!青!黒!でしたし、まさに“原色”ですね。めちゃくちゃパンチがある」と振り返る。
「今回で8度目の登場ですけど、やっぱり毎回ちょっとずつ変化があった方が私自身も楽しいし、読者の方も飽きないと思うんです。今までにない表現をお届けできたら嬉しいですね」
撮影は横浜のホテルで行われた。日常のなかに違和感を混ぜた、“ありそうでなさそう”なシチュエーションで無邪気に遊ぶ橋本愛。そんなテーマのもと、ファーストカットではレトロな客室一面を埋め尽くすカラーコーンのバリケードが橋本を出迎えた。真っ赤なドレスを纏った身体をしなやかに躍らせながら、立ち入り禁止の境界を乗り越えていく。
「腰をぐっと反らしたり、手足を遠くまで伸ばしたり……体の動かし方はピラティスから学びました。以前はキックボクシングをやっていたのですが、あまりに体力がないのを実感して、まずは体の土台を作らなくてはと。ピラティスは大きな筋肉を鍛えるというよりも、とても繊細な動きで身体にアプローチしていくエクササイズなんです。自分の体を深く知り、解像度を上げていく過程がすごく楽しい。私にはとても合っていますね」
撮影中も、彼女は自らの身体と対話を重ねていったという。そしてまた、衣装とも。