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エキストラにもなれない“底辺タレント”だった彼女が「逆転の発想」で夢を叶えたワケ

斎藤ゆきえ/サイボーグYukiインタビュー #1

2024/03/20

genre : ライフ, 社会

note

──そこで認められたんですね。

斎藤 そうですね。活動していくうちに、2018年ごろに「私も一緒にサイバー系のことをやりたい」という女の子が3、4人ぐらい来てくれて。そこで、アイドルユニットを組んだんです。ただ、ここでまた一難ありまして……。みんな自腹で活動していたんですが、お客さんが全然来なくて回収ができなくて。

 メンバーもモチベーションが下がっていって、結局2019年のライブで事実上解散したんですよね。あれは今でも悔しいですね。

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現在の活動の様子(写真:斎藤ゆきえ)

──敗因はなんだったんでしょうか。

斎藤 一言で言うと早すぎました(笑)。2020年末に「サイバーパンク2077」ってゲームがリリースされて、翌年に大ヒットして、Twitterで「#サイバーパンク」というハッシュタグがトレンドに入るようになったんです。私はブームが始まる3~4年前からサイバーパンクをやっているので、他よりも上位に表示されたんです。なので、アイドル活動ももう少し遅ければうまくブームに乗れてブレイクできたかも、と。

 ただ、私としては「やっとチャンスが来たぞ」という感じでした。エネルギーゲージは満タンで、あとはボタン押すだけで必殺技ドーン、みたいな(笑)。

ついに時代が追いついた!

──時代が追いついてきたんですね。フォロワーも増えたのでは?

斎藤 増えました! ゲーム発売前はTwitterのフォロワーは800人ぐらいなんですが、今2万2000人ですね。2021年ごろにテレビの取材を受けたのも大きかったです。

 サイボーグコスプレを始めるまでを描いたnote(ブログを書いたりノウハウなどを販売できるアプリ)を見たスタッフさんが連絡してくれたのがテレビ出演のきっかけだったんですが、それももともとは「コミックエッセイ大賞」に応募するために描いたものだったんです。それが3年後に発掘されて、テレビに出られた。私の人生、一度はダメでも、あとでどうにかなることが結構多いな、と。

 役者になれなくて代替策で美術を始めたけど、そのおかげでコミックエッセイが描けて、テレビに出られた。一度はうまくいかなくて「じゃあこれやろう」とやったことも、あとで回収できるんですよね。

エキストラにもなれない“底辺タレント”だった彼女が「逆転の発想」で夢を叶えたワケ

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