文春オンライン

連載シネマチャート

三男が急死、四男と五男は自死、長男は幼い頃に亡くなっていて…実在する「呪われたプロレスラー一家」の悲劇 「アイアンクロー」を採点!

シネマチャート

note

〈あらすじ〉

 元祖“アイアンクロー”(プロレスの必殺技)の使い手だったフリッツ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)は、自らの息子たちを鍛え上げ、プロレス界最強の一家を作る野心に燃えていた。そんな中、次男のケビン(ザック・エフロン)は、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)への嫉妬心に苦しむが、恋人パム(リリー・ジェームズ)の存在に救われていた。

 ある日、デビッドが巡業先の日本で急死。さらに五男のマイク(スタンリー・シモンズ)、ケリーが次々に自死を遂げる。実は長男も幼い頃に亡くなっていたことから、彼らはいつしか「呪われた一家」と呼ばれるように――。

〈解説〉

 実在した人気レスラー一家の栄光と悲劇を、唯一存命するケビンの視点で描く。監督・脚本は、『不都合な理想の夫婦』のショーン・ダーキン。132分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆こんな悲劇的なプロレス一家が実在したとは。俳優たちの演技、真に迫っている。好みではないがダレることなく見られた。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆呪われた一家の疼痛を描きつつ、プロレス特有の物憂い空気も切開している。ギリシャ悲劇やロシア文学の匂いがする。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆勝利しか頭にない父親による教育が猛烈にリアルで、こんな子育ては許されないが次男ケビンには励ましと愛を感じた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★哀切に満ちた「男の世界」の崩壊。有名な実話を暗い神話に昇華する。フェミニズム的な主題を男性側から描いた傑作だ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆エフロン始め配役は上手い。スチール椅子振り回された様な威圧。この呪われた親子の映画化は何かタブーが伴うのか。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©2023 House Claw Rights LLC; Claw Film LLC; British Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.
INFORMATIONアイコン

アイアンクロー(米)
4月5日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
https://ironclaw.jp/

三男が急死、四男と五男は自死、長男は幼い頃に亡くなっていて…実在する「呪われたプロレスラー一家」の悲劇 「アイアンクロー」を採点!

週刊文春電子版の最新情報をお届け!

無料メルマガ登録

関連記事