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「母子ともに助かる可能性は50%」唯一の治療法は中絶だけ…絶望した主婦がたどり着いた“ある組織”とは 「コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-」を採点!

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〈あらすじ〉

 1968年、シカゴ。専業主婦のジョイ(エリザベス・バンクス)は、弁護士の夫と15歳の娘と何不自由ない暮らしを送っていた。

 ところが2人目の子供を妊娠したことで心臓の病気が悪化。このままでは母子ともに助かる可能性は50%と宣告される。唯一の治療法は中絶だが、地元の男性医師たちは違法であると許可しなかった。

 絶望したジョイは自力で中絶する方法を模索し、違法だが安全な中絶手術を提供するアンダーグラウンドな組織「ジェーン」にたどり着く。そしてリーダーのバージニア(シガニー・ウィーバー)に誘われ、「ジェーン」の活動にのめりこんでいく。

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〈解説〉

 人工妊娠中絶が違法だった時代に、女性の権利のために1万2000人(推定)の中絶手術を行った団体の実話をもとにしたドラマ。『キャロル』の脚本家、フィリス・ナジー監督作。121分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆60年代半ばの若者たちの反乱の中であっても、中絶手術を認めない州があったとは。S・ウィーバー、さすがの説得力。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆ほどよくまとまっているが、映画の焦点が「運動」なのか「人物」なのか、はっきりしない。怯みや危うさの匂いもやや不足。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★★女たちの救いの絆が紡がれていく光景にハラハラしつつ感動。当事者自身の力で中絶の権利を勝ち取った説得力に安堵も。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆再び重要な争点となっている母体の健康と権利問題を平明に描く。時代背景も含めてかつての米ニューシネマ的な感触。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆エンパワーメントなシスターフッド映画。時代性の表現や脚本などどこか安全過ぎるのでドキュメンタリー映画で観たい。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-(米)
3月22日(金)全国公開
https://call-jane.jp/

「母子ともに助かる可能性は50%」唯一の治療法は中絶だけ…絶望した主婦がたどり着いた“ある組織”とは 「コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-」を採点!

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