〈あらすじ〉
貧しいシングルマザーのムンジョン(キム・ソヒョン)は、ビニールハウスで暮らしている。彼女の夢は、少年院に収容されている息子と、アパートで暮らすこと。その資金を貯めるために、介護士兼家政婦として、元大学教授で盲目のテガンとファオク夫婦の家に通っている。
ある日、重度の認知症を患っているファオクが風呂場で突然暴れ出し、ムンジョンに振り払われたはずみで後頭部を強打、そのまま絶命してしまう。ムンジョンは病院から母親を連れ出しファオクとすり替え、出院が近い息子との未来を守ろうとするが……。
〈解説〉
不遇な善人が負のスパイラルに陥る様を、韓国の社会問題をふまえて描くサスペンス。脚本と編集も手掛けたイ・ソルヒ監督の初長編作品。第27回釜山国際映画祭3部門受賞。100分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆貧しさ故のビニールハウス暮らしという設定が、まず、スゴイ。さらに負のスパイラル。皮肉なおかしみもあり、圧倒された。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆投了しそうな人々を三世代も累積させ、とんでもない方向に話の舵を切る。背中を押したい映画だが、ときおり雑になる。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆冷たく薄暗い映像の力でムンジョンの現実に引きずり込まれるよう。まさかの展開と結末に身の毛がよだつも解放感を。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆磁石の如く不幸を引き寄せる主人公像が強烈。暗黒星雲に吸い込まれていくような絶望の連鎖。その徹底性に惹かれる。
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洞口依子(女優)
★★★★☆機能不全に陥った異なる家庭環境、疑似家族関係。サスペンスフルな構成。イ・チャンドンやポン・ジュノ作品に並ぶ傑作。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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ビニールハウス(韓国)
3月15日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
https://mimosafilms.com/vinylhouse/