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「原爆の父」を描き、アカデミー賞で7部門を受賞した作品がついに日本公開…その評価とは 「オッペンハイマー」を採点!

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〈あらすじ〉

 第二次世界大戦下のアメリカで、原子爆弾の開発を目的に立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。それを主導したのが物理学者のJ・ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)だった。計画は、1945年7月の「トリニティ実験」で、ついに成功。翌月、広島と長崎に原爆が投下される。

 オッペンハイマーは「原爆の父」としてもてはやされるが、戦後、アメリカが推進する水爆開発には反対したことから原子力委員会のルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr.)と対立。さらに「赤狩り」の風が吹く中、次第に追い詰められていく。

〈解説〉

 天才科学者の栄光と没落、複雑な人間像を、IMAX撮影で描く伝記映画。監督・脚本は『TENET テネット』のクリストファー・ノーラン。第96回アカデミー賞で作品賞など最多7部門を受賞。180分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★★原爆を作り出した男の栄光と無念。描写がやや平板に感じられたが、3時間という上映時間、苦にならず。当時の時代色も。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆明晰で繊細で不吉な化学記号のような人物像を、剛腕で描き出す。構築力というよりも「積み重ねる力」が卓越している。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆一般市民の大量虐殺を承知の上での実行と権力闘争、学者の言い訳三昧。被爆映像なしでも得意満面な作品をお見逃しなく。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★王道のドラマに寄った事でノーランの凄みを更に実感。パンドラの箱を開けた人類の悲劇を巡る破格の映像×音響体験。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆主人公に可視化されたものだけが映っていた気がする。彼の人間像の描かれ方と演出力の融合の弱さか。俳優陣は健闘。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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オッペンハイマー(米)
3月29日(金)全国公開
https://www.oppenheimermovie.jp/

「原爆の父」を描き、アカデミー賞で7部門を受賞した作品がついに日本公開…その評価とは 「オッペンハイマー」を採点!

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