〈あらすじ〉

 フランス人夫婦のアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)とオルガ(マリナ・フォイス)は、スペイン・ガリシア地方の小さな村に移住し、第二の人生をスタートさせた。理想の土地で栽培した有機野菜を街の市場で販売し、村に点在する古民家を修繕することで、過疎と貧困に苦しむ村を活性化できると考えていた。しかし、隣に住む兄弟は新参者への敵意を隠さない。さらに村人には補償金が出る風力発電計画にアントワーヌが反対したことが決定打となり、夫婦への嫌がらせは激化していく。

〈解説〉

 1997年に起きた事件を基に、“田舎と都会”の対立を描く心理スリラー。ロドリゴ・ソロゴイェンの『おもかげ』に続く脚本・監督作。138分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆田舎に憧れた都会カップルの話だが、いくら何でも村人たち、排他的すぎないか? 実際の事件をもとにしたそうだが。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆珍しくない話だが、移住者と地元民の肉体がどちらも濃く、土地に錆びと深みがある。語りの握力が強いのはそのためか。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆隣人、夫婦、母娘の、感情も露わに言い争う場面はリアルなだけに辛い。だが恐ろしい実話なのに後味は悪くなかった。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆ムラの論理に弾かれる都市からの移住者。「こことよそ」の分断を描く最近の注目作の中でもホラー的なエグみが際立つ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆スリラーと西部劇の両方を味わう。アイデンティティの崩壊。陰鬱な映像と音で不穏な領域に焦点を合わせ落とし込む。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo Films, S.L., Cronos Entertainment, A.I.E,Le pacte S.A.S.

INFORMATION

理想郷(スペイン、仏)
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開中
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